2024年は「賃金引き上げ」ラッシュ!? 賃上げをリアルに期待できる業界とは

2023年に賃上げをした企業は? 平均いくら上がった?

厚生労働省の「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、2023年中に賃上げをした、または引き上げる予定であると回答した企業は全体の89.1%でした。企業規模ごとの賃上げ企業の割合は、以下の通りです。

__●5000人以上:97\.3%
●1000~4999人:93.3%
●300~999人:93.1%
●100~299人:87.4%__

「1人平均賃金の改定額」は9437円で、前年の5534円を大幅に上回っています。企業規模ごとの「1人平均賃金の改定額」は、以下の通りです。

__●5000人以上:1万2394円
●1000~4999人:9676円
●300~999人:9227円
●100~299人:7420円__

同調査から、賃金の引き上げを実施した企業は全体の約9割に及び、企業規模が大きいほど賃上げに積極的であることが分かります。

なお賃上げ企業の割合は、2022年の85.7%を3.4ポイントも上回っていて、この勢いで2024年も賃上げラッシュが続くことが期待されています。

賃上げをリアルに期待できる業界とは?

産業別に賃上げした企業の割合を多い順にまとめると、以下の通りです。

__第1位:建設業(99\.7%)
第2位:製造業(97.4%)
第3位:電気・ガス・熱供給・水道業(92.9%)
第4位:不動産業、物品賃貸業(92.3%)
第5位:情報通信業(91.8%)__

これらの業種で働いている方は、高い確率で賃上げを期待できるといえるでしょう。

一方で、賃上げ企業の割合が最も低かったのは、「運輸業、郵便業」の71.0%でした。次に低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の77.4%で、1人平均賃金の引き下げが1.1%と最も高くなっています。

賃金の改定で企業が重視するポイントは?

賃金を改定するにあたり、企業が重視しているポイントは以下の通りです。

__●企業の業績:36\.0%(前年40\.0%)
●労働力の確保、定着:16.1%(同11.9%)
●雇用の維持:11.6%(同10.7%)
●重視した要素はない:9.5%(同16.7%)
●物価の動向:7.9%(同1.3%)__

自社の業績を重視している企業が最も多かったものの、前年からは減少していて、物価の動向を考慮して賃金を改定した企業が増えたことが分かります。近年の社会情勢によって、企業が業績に関わりなく賃上げを実施せざるを得ない状況にあるといえるかもしれません。

賃金引き上げを実施した企業が最も多かったのは「建設業」! 2024年も賃上げラッシュに期待

2023年に賃金引き上げを実施した企業が最も多かったのは「建設業」の99.7%でした。これに「製造業」の97.4%、「電気・ガス・熱供給・水道業」の92.9%が続きます。

2023年は全体の約9割の企業が賃上げを実施し、賃金改定では多くの企業が業績を重視しましたが、物価の動向を考慮する企業が増えていることも分かりました。

就職や転職を検討する際に、賃上げをリアルに期待できそうな業界をチェックしてみるのもよいでしょう。

出典

厚生労働省 令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況 結果の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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