「ドジャースはエンジェルスとは違う」腰の張りを訴えた大谷翔平に休養厳命「重要な行動だった」とLA紙が評価

現地5月12日、ロサンゼルス・ドジャースは敵地でサンディエゴ・パドレスと対戦し、0対4で敗れた。ドジャース打線はパドレスの先発ダルビッシュ有から得点を奪えずに完封負けを喫した。

前日に腰の張りを訴えたドジャースの大谷翔平は欠場し、ベンチから試合を見守った。米紙『Los Angeles Times』は、大谷を休ませる決断をしたチームを評価した。

「オオタニはプレーできたかもしれないと考えていた。ダルビッシュとの対戦を楽しみにしていたからだ。しかし、デーブ・ロバーツ監督は出場を認めなかった。ロバーツ監督によるオオタニの扱い方は、球団内で最も重要な関係のひとつ。来年、オオタニが投球を再開した時、その関係はさらに重要性を増してくる」

同紙は、大谷に休養を命じた指揮官の判断は評価できると記した。「監督は監督で、選手は選手。この単純な役割分担は重要選手が関与する場合、複雑になる可能性がある。それでもチームはオオタニの身を守ったのだ」。

ロバーツ監督は、「彼(大谷)は、休養が自分とチームの利益になると理解してると思う。いまは13連戦の途中なので、少し慎重になりたかった」と語っているが、こうした対応は、前所属のロサンゼルス・エンジェルスでは見られなかったものだ。
「ドジャースはエンジェルスとは違う。エンジェルスでプレーしていた時、チームにとって最も有益だったのは、オオタニがほぼすべての試合に出場することだった。それは本人の希望でもあった。それでもエンジェルスは、二刀流を続けていたオオタニを指のけいれんで先発から外した後、MRI検査を受けるよう説得することができなかった」

こう記した同紙は、エンジェルスは大谷の意志を尊重するあまり、コンディション面をコントロールできなかったとしている。その結果、大谷は右肘側副靱帯を損傷してしまい、二度目のトミー・ジョン手術を受けることになったと、23年シーズンを回顧している。

「オオタニの手から“決断”を奪ったことは、ロバーツ監督にとって小さいながらも重要な行動だった。エンジェルス時代のように、一度関係が成立してしまえば、それを元に戻すのは難しいのだ」

指揮官はまた、「今後、プレースケジュールを決める際、ショウヘイに意見を求めるつもりだ」とも語っている。同紙は、「オオタニにはそれだけの価値がある。しかしドジャースはオオタニとの関係をエンジェルスのように偏ったものにするつもりはない。パドレス戦の休養は、その兆候だった」と記している。

さらに同紙は、「ドジャースには才能のある選手が揃っているし、実績もある。そして現実的にチャンピオンシップへの野心を抱いている。オオタニはドジャースを必要としているし、ドジャースはオオタニが切実に求めているものを、他のチームにはない形で提供している。それは勝つための正当なチャンスだ」とし、大局的な目線でシーズンを戦っている点を強調した。

大谷は、現地13日のサンフランシスコ・ジャイアンツとの試合には出場する予定だ。

構成●THE DIGEST編集部

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