北海道新幹線の札幌延伸、2030年度末開業は困難 鉄道・運輸機構が発表、具体的時期は見通し立たず

北海道新幹線

鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は8日、国土交通大臣に対し、2030年度末と掲げてきた北海道新幹線新函館北斗~札幌間の開業目標について、達成が困難であると報告した。

北海道新幹線の新函館北斗~札幌間は、2015年1月の政府・与党申し合わせにおいて、2030年度末の完成・開業を目指すと決定していた。しかしながら、「渡島トンネル」では土砂流入や地質不良など、「羊蹄トンネル」では巨大な岩塊群の遭遇などにより、掘削が難航。「札樽トンネル」などでは、発生土の受け入れ地確保が難航した。これらが工期に影響をおよぼしており、鉄道・運輸機構は、現時点で3~4年程度の遅延が生じていると説明している。

鉄道・運輸機構は、現在もなお地質不良が継続しており、有識者会議で議論された工程短縮策をもってしても、現時点では遅延要因の影響を一定程度減殺するにとどまると説明。結果、2030年度末完成・開業の目標達成は極めて困難であるとし、完成・開業年度についても、現時点で具体的な時期を示すことは技術的に困難だとしている。

北海道新幹線の営業主体となるJR北海道は、国土交通大臣に対する鉄道・運輸機構の報告を受け、札幌駅周辺の再開発事業を新幹線のスケジュールによらず着実に進めると発表。札幌延伸を機に経営自立を目指す方針のもと、一日も早い北海道新幹線の全線開業に向け取り組むとしている。

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