米App Storeの外部決済リンク、開発者約6.5万のうち利用申請はわずか38件

Image:Apple

1月、アップルは米国でのiOSアプリの販売に関し、サードバーティのウェブサイトでの支払いを認め、アプリに外部リンクを含めることを許可すると発表した。しかしそれ以来、アップルがアプリ内購入を提供する推定6万5000のアプリ開発者のうち、外部リンクの利用申請を行ったのは38件にとどまると、アップルは先週の公聴会でイボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ連邦地方判事に報告した。

なぜこれほどまでに申請が少なかったのかと言えば、その理由はApp Store以外での支払いは可能になったとはいえ、外部の決済サイトへのリンクをアプリに含めたい場合、その決済サイトの売り上げから27%をリンク使用料としてアップルに支払わなければならないからだ。

これは従来のApp Store手数料である30%よりも少ないものの、アプリ開発者は外部の決済サイトを使用する場合、クレジットカードの手数料も負担しなければならないため、結局はApp Store経由での決済よりもコストが高くなってしまう。

Bloombergが報じたところでは、カリフォルニア州オークランドで開かれた公聴会において、ロジャース判事がアップルのティム・クックCEOも含まれる委員会が承認したとされるこの支払い方法のしくみについて、アップルが誠意を持って行動しているかどうかに懐疑的な考えを示した。そして「私には、これまでのビジネスモデルと収益を維持することが目標であるように思える」と述べたと伝えられている。

公聴会は今週も継続して行われる予定で、結果によってはアプリの支払いに外部決済サイトを経由する方法の処理のしかたに影響を与えることになるかもしれない。ちなみに、マイクロソフトは少し前に開催されたBloomberg Technology Summitで、モバイルゲームを販売する自社ストアを7月に開設すると発表している。

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