EU規制準拠ヘッジファンド、資産8年ぶり低水準 個人投資家離れ

Nell Mackenzie Iain Withers

[ロンドン 13日 ロイター] - 調査会社ケプラー・アブソリュート・ヘッジが13日公表したデータによると、オルタナティブUCITSファンドと呼ばれる欧州連合(EU)の規制に合致したヘッジファンドの運用資産は8年ぶりの水準に減少した。成績不振や高金利環境が個人投資家の資金引き揚げにつながった。

3月末時点の運用資産は2363億ドルと、12月末から3%減少した。過去2四半期の0.4%から減少ペースが加速した。

UCITSは「譲渡可能証券への集団投資事業(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)」の略。EUで販売されているファンドで、個人投資家を保護するため厳しい規制が課されている。

過去に人気を博し、2022年末の運用資産額は12兆ユーロ(12兆9000億ドル)に上ったが、より高いリターンを追求する投資家から支持されなくなった。

サーニア・アセット・マネジメントのパートナー、ハラルド・ベルリニッケ氏は「多くの投資家が痛感しているように、強力な規制でヘッジファンド運用担当者の手を縛ることはファンドの目的を台無しにしているかもしれない」と指摘した。

ケプラーが1─3月に追跡したUCITSファンドの平均投資リターンは2.9%と、ヘッジファンド業界全体の平均である4.4%(HFR調べ)を下回った。

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