小林製薬 増収増益予測取り下げ、特別損失38億円計上へ「紅麴」健康被害問題が影響

「紅麴コレステヘルプ」錠剤と小林製薬本社(大阪市中央区)

小林製薬(本社・大阪市中央区)は、 紅麹(べにこうじ)成分入りサプリメント「紅麹コレステヘルプ」 を摂取した人に健康被害が確認された問題の影響が見通せないとして、2024年12月期連結業績予想を取り下げ、未定とした。5月10日付。

同社は「この問題で業績に及ぼす影響を見極めるのが困難な状態」としているが、現時点で見積もりができる特別損失として38億円を計上している。

小林製薬・紅麴サプリ問題 原因物質は「プベルル」酸か

同年2月9日に発表した連結業績予想では、売上高が1856億円・最終利益(当初利益)が205億円の増収増益を見込んでいた。
しかし、「紅麴」による健康被害について同社が3月22日に公表、大きな影響が出た。

この問題をめぐっては、紅麹原料から青カビから生成される天然化合物の「プベルル酸」などの物質が検出されたことが明らかになったが、健康被害の原因は判明しておらず、厚生労働省や大阪市が調査を進めている。

特別損失は、自社製品や供給した原料を使用した他社製品の回収費用、小林製薬が負担する摂取者の医療費などを盛り込んだ。今後も影響が広がる可能性があり、同社は「総額を見積もることは困難。追加で費用が発生する可能性がある」としている。

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