世耕氏への対抗馬に否定的 次期参院選和歌山選挙区、自民の森山総務会長

自民党の「政治刷新車座対話」後に報道陣の取材に答える森山裕総務会長(右)=和歌山市で

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題を受け、党本部が各地で実施している「政治刷新車座対話」が11日、和歌山市の党県連であった。党の森山裕総務会長は、この問題で離党した世耕弘成参院議員について「将来のある方」などとした上で、次期参院選で自民党からの対抗馬擁立に否定的な考えを示し、県連に「賢明な判断」を求めた。

 党本部から森山氏、政治刷新本部の小倉将信事務局長が訪れ、県連からは石田真敏衆院議員、鶴保庸介参院議員、役員を務める県議らが出席した。

 森山氏はあいさつで「政治資金の問題が大きな争点となり、失ってはいけない議席を失う結果となり、本当に申し訳なく思っている」と陳謝。「結果として現職は嫌疑不十分ではなく、嫌疑なしであり、真っ白であったと思う。ただ、政治的責任や政党としての責任は果たしていくことが大事」と述べた。

 その上で、この問題で離党勧告を受け離党した世耕氏について「実績を考え、今後の活躍を期待する意味からも、(次期参院選について)しかるべき対応があってもいいのではないか」と県連に求めた。

 会議後、報道陣からこの発言を問われると、自身が郵政民営化に反対し離党勧告を受け、その後の選挙で「刺客」を送り込まれた経験に触れ「刺客を立てることが本当にいいのかといまだに思っている」と話した。一方、世耕氏の復党の可能性については「いまは申し上げる時期ではない」と述べるにとどめた。

 二階俊博衆院議員については「(政治資金パーティー問題の)全てのことに責任を感じられて、次の選挙に立候補しないという極めて重い決断をされた。多くの実績を残し、国際的に活躍をしてこられた。今後とも党への指導をお願いしなければならない」と話した。

 次期衆院新1区にくら替え出馬する予定だった鶴保氏が見送りを表明したことも触れ「(比例転出予定の)石田さんがどんな気持ちか承知していないが、いっぺん県連と約束をしたことは確実に守らせていただくことが大事ではないか。それが一つ崩れると全国にも影響するので、そういうことにならないようにお願い申し上げる」と話した。「1区をどうするのか。常在戦場であることをしっかり認識してやらねばならない」と早い対応を求めた。

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