Hydromeaの自律型水中ドローン「VERTEX」は、拡張性を考慮し設計。群制御で水中探査の新たな領域へ

現在、AUVは多くの用途にとって法外に高価であり、専用のインフラなしでは持ち運ぶには大きすぎ、重すぎることが多い。そのため、AUVは広く普及しておらず、ほとんどのAUVオペレーターは1台しか持っていない。同社はそれを変えようとしているという。

水中ドローン「VERTEX」は、手頃なコストで大量生産が可能で、小型・軽量で大量配備が容易であり、チームとして協力するための斬新な通信・定位技術の数々を搭載している。

モジュール設計

エレクトロニクスとメカニカルコンポーネントは、高度にモジュール化されている。このため、コンポーネントの交換やアップグレードを素早く行うことができ、電気インターフェースや重量バランスを新しいペイロードセンサーに適合させることができるという。

デフォルトのセンサーペイロードはYSI社のEXO2システムで、これも非常にモジュール性に優れており、7つのポートにEXO2シリーズのどのセンサーを搭載しても、それぞれの展開の要件に適合させることができる。要望に応じて、交換可能なペイロードフロントプレートに別のセンサーを搭載することも可能。

高度な群間通信とローカライゼーション

同社は、水中ドローンをマルチホップ無線ネットワークとして接続する、ドローン群用に設計された独自の低周波無線システムを開発した。高度な分散スケジューリングアルゴリズムにより干渉を防ぎ、通信スループットを最大化する。

さらに、各AUVがフリート内の他のAUVに対して自分の位置を三角測量することを可能にする、新しい分散音響定位システムを追加。このシステムを通信ネットワークとGPS受信機と組み合わせることで、AUVのいずれかが地表にいるときはいつでも位置を取得することができ、各ドローンは継続的な位置情報を得ることができる。AUVはまた、地表通信用に無線と3Gを装備している。

スケーラブルな通信技術と局在化技術のユニークな組み合わせにより、洗練された群れや編隊の制御アルゴリズムを実装可能だ。チームとして協力することで、潜水艦の艦隊は測定された勾配に適応的に反応できる。例えば、流出源を見つけたり、プルームを追跡してその大きさを決定したりすることができるという。

アジャイル3Dナビゲーション

VERTEXは、同社独自の特許取得済みスラスターを5基搭載しており、機敏で高い操縦性を実現している。3基の安定化スラスターと2基の前方スラスターにより、潜水艦は3軸を中心に自由に回転し、静止していても深度を保持できる。

どのような3D軌道でも、最大1m/秒(2ノット)で正確に追従できる。同社の高度なナビゲーションオートパイロットは、ミッションプランニングソフトウェアを介して事前にアップロードされた定義済みのウェイポイント(GPS位置と水深)に潜水艦を自動的に誘導する。

できること

VERTEXは、ビデオや画像用のカメラ、水深調査用のソナー、環境調査用のセンサーなど、データを収集するための小型電子機器を多数搭載できる。

以下の中から最大7つのセンサーを同時に使用できる。

  • 導電率、温度、水深/圧力
  • アンモニウム
  • 塩化物
  • 光学溶存酸素
  • fDOM
  • 硝酸塩
  • pH
  • pH/ORP
  • クロロフィル/BGA-PC
  • クロロフィル/BGA-PE
  • 濁度

要望に応じて代替センサーを用意している。

特徴

  • 複数センサー搭載
  • 無限に拡張可能
  • スマートで正確なローカライゼーション技術の自律性
  • モジュール設計
  • 高度な群通信
  • 最大8時間の自律性

仕様

▶︎Hydromea

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