ヤオコー 決算/3月期単体で35期連続増収増益、既存店売上高7.7%増

ヤオコーが5月13日に発表した2024年3月期連結決算によると、営業収益6195億8700万円(前年同期比9.8%増)、営業利益293億2800万円(11.8%増)、経常利益288億7700万円(12.8%増)、親会社に帰属する当期利益182億4300万円(15.1%増)となった。

また、ヤオコー単体では、5347億8000万円(9.6%増)、営業利益255億9200万円(12.1%増)と、35期連続増収増益を達成している。既存店売上高7.7%増、客数3.8%増、客単価3.7%増(客数100人当たりの買上点数1.7%減、一品単価5.4%増)だった。

<川野澄人社長>

同日行われた決算会見で、川野澄人社長は「1店舗平均売上高が約28億円と成長、売り上げが好調だったため、人件費・配送費の増加をカバーし、単体で35期連続増収増益を実現できた。低価格な商品とこだわり消費、2極化に対応したことも功を奏した。ライフコーポレーションと共同開発している低価格PB『star select』は売上高が前期比24.3%増と伸びている」と業績好調の要因を説明した。

商品面は、同社の独自化・差別化につながる品ぞろえを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力。また、バリューチェーン全体で競争優位を実現するため製造小売業へ踏み込み、SPA型の商品開発の拡大を図っている。

豊かで楽しく健康的な食生活のさらなる充実に向けて、プライベートブランド(以下:PB)「Yes!YAOKO」に新たな健康ライン「Happiness(ハピネス)」を加え、11月より順次導入している。

販売施策は、二極化対応を継続し、価格コンシャスを強化した。「厳選100品」やカテゴリー別価格対応、生鮮の頻度品などで価格政策に取り組んでいる。

同時に、技術力を高めることで魅力的な売り場づくりを推進している。集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品ぞろえする「産地フェア」、イタリア大使館貿易促進部とパートナーシップを結び、直輸入商品を中心とした「イタリアフェア」を全店で実施した。

昨年3月から導入開始したキャッシュレス決済サービス「ヤオコーPay」は、2023年6月から全店展開となっている。利用率は5%程度となっている。

また、グロッサリー商品を対象としたAIによる需要予測に基づく自動発注システムの活用は順調に推移し、生産性向上に寄与している。また、レジ部門はフルセルフレジの導入を進めており、3月までに24店舗で採用している。

昨年2月に新設した草加物流センター(埼玉県草加市)は、初となる自社WMS(倉庫管理システム)、店舗・構内作業軽減のため順立てシャトル、GTPシャトルを新たに導入し、順次管轄店舗を拡大している。

<ヤオコー川崎枡形店>

店舗面では、2023年8月にスクラップ&ビルドにより深谷上野台店(埼玉県深谷市)をリニューアルオープン。11月に松戸上本郷店(千葉県松戸市)、2024年2月に東大和清原店(東京都東大和市)と横浜天神橋店(神奈川県横浜市)、3月に川崎枡形店(神奈川県川崎市)を開設した。

既存店の活性化策として、11店舗の大型改装を実施した。また、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは6店舗追加し、24店舗で展開している。

グループ会社のエイヴイでは、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取り組みを進めている。フーコットにおいては、「おいしいもの、圧倒的な品ぞろえ、低価格とそれらを支えるローコストオペレーションの徹底追求」を経営方針とし、今期に開設した深谷店(埼玉県深谷市)と三芳店(埼玉県入間郡三芳町)を含め、埼玉県を中心に5店舗を運営している。

また、持ち分法適用会社であるせんどうとは、互いの強みを学びながら、具体的な取り組みとして、デリカ商品の供給を進めている。

2024年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で205店舗(ヤオコー187店舗、エイヴイ13店舗、フーコット5店舗)となった。

2025年3月期は、営業収益7070億円(14.1%増)、営業利益314億円(7.1%増)、経常利益305億円(5.6%増)、親会社に帰属する当期利益187億円(2.5%増)を見込んでいる。

2024年4月のせんどうの連結子会社化により、営業収益が大きく伸びることを予想している。

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