平庭闘牛、取り組みに熱視線 久慈、シーズン開幕

対戦で火花を散らす2歳牛

 久慈市山形町で、闘牛大会シーズンが幕を開けた。12日は「わかば場所」が平庭闘牛場で行われ、市内外のファンや関係者ら約600人が、来月にデビューを迎える2歳牛や実戦経験の浅い3歳牛の取り組みに熱視線を送った。

 江戸時代には野田村など地元沿岸部で生産された塩を、牛の背に乗せて盛岡方面に運んでいた。運搬する牛の行列の先頭に立つ牛は角突きで決めており、これが平庭闘牛の起源とされる。1983年からはいわて平庭高原闘牛会(八重櫻友夫会長)が東北唯一の観光イベントとして、年間4場所開催している。

 無料公開された「わかば場所」では冒頭、同闘牛会関係者がシーズン中の安全を祈願。続いて重さ400キロ前後の2歳牛7頭、560~700キロの3歳牛9頭が出場し、勢子に手綱を操られて頭や角を合わせて押し合ったり、攻めをかわしたりしていた。見物客からは健闘をたたえる温かい拍手が送られていた。

 今季はつつじ場所が6月9日、しらかば場所が9月8日、もみじ場所が10月20日にそれぞれ開かれる。入場料(高校生以上)は当日1200円(前売り千円)。

 問い合わせはいわて平庭高原闘牛会事務局=市山形総合支所産業建設課内、電話0194(72)2111=へ。【全文】

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