タクシー事故で「出光興産」子会社トップ死亡…「日本型ライドシェア」もしものとき補償はどうなるの?疑問噴出

一部でライドシェアも解禁されたが…(写真:アフロ)

5月11日夜、東京・大田区の首都高湾岸線の多摩川トンネル内でタクシーが横転、ドライバーと乗客が死亡する事故が発生した。

亡くなった乗客は、「出光興産」の子会社社長(61)だったと、5月13日の「日テレNEWS」が報じている。タクシーの運転手は46歳男性。警察では、運転中に病死した可能性もあるとみて、事故原因を調査しているという。

「SNSでは、事故のすぐ後ろを走っていた車のドライブレコーダーの映像があがっています。タクシーは左車線を走っており、左側の縁石に接触したことで横転、激しく回転した様子がわかります。

また、事故を起こしたタクシーのナンバープレートが緑ではなく白っぽいことから、一般車両を使った『ライドシェア』ではないのか、という憶測もSNSでは見られます。

しかし、これは東京五輪の『記念ナンバープレート』でしょう。羽田空港、成田空港に乗り入れている主なタクシー事業者は、五輪の気運醸成のため、この特別仕様のナンバープレートの取りつけが認められています」(週刊誌記者)

日本交通は5月12日、「業務提携会社における人身事故に関するお詫び」をホームページに掲載。「弊社業務提携会社(フランチャイズ契約締結先)の運行するタクシー車両」による事故だとしている。

また、この事故でXではこのような反応も。

《湾岸線の事故、運転中に病死の可能性なのね 運転手の健康管理はどうなっているのだろうか?ライドシェアの場合どこに責任がいくのか?》

《しっかり会社で管理されたドライバーでもこんな事故をおこすのにライドシェアで同じ事起こったら損害賠償とか絶対無理だよね…》

2024年4月から東京などの一部地域で、タクシー事業者が運営主体となり、一般ドライバーが自家用車で有料で人を運ぶ「日本版ライドシェア」が始まっている。タクシーに乗っていて事故にあった場合、タクシー会社に賠償請求が可能だが、ライドシェアの場合はどうなのか。

「ライドシェア事業をおこなうタクシー会社は『対人8000万円以上及び対物200万円以上の任意保険・共済に加入していること』という損害賠償能力が認可の条件となっています。

日本版ライドシェアの場合、海外と違い、タクシー会社の管理下となるので、事故対応はタクシー会社が担うとみられます。保険会社も続々と、ライドシェア事業に特化したタクシー会社向けの保険商品を発売しています」(週刊誌記者)

まだよくわからない「日本版ライドシェア」。普及拡大にはまだ時間がかかりそうだ。

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