「あれはネリの渾身の一発だった」井上尚弥がSNSで”プロ初ダウン”の瞬間を回顧「悪い方向に転んだとは思ってない!!」

世紀のビッグマッチで喫した”プロ初ダウン”の瞬間を振り返っている。

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が5月13日、自身のX(旧ツイッター)を更新。6日に東京ドームで行なわれたルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦で、1ラウンドに波乱のダウンを喫したシーンを回顧した。

無敵のモンスターが崩れ落ちたのは、第1ラウンド残り1分20秒を切った時だ。井上は接近戦からネリの左フックを顎にもろに食らうと、リング上にはいつくばる形でプロ初ダウン。目を疑う光景に約4万3000人の大観衆は驚きと、悲鳴が入り混じった声が上がった。

ただ、井上はそのあと冷静に試合を進めると、2回にお返しとばかりに左フックでダウンを奪い返す。5回には至近距離から再び左フックを一閃し、2回目のダウン。そして6回に一気に攻勢に出ると、戦慄の右ストレートを浴びせて悪童にトドメを刺す鮮烈なTKO勝ちを収めた。
ボクシング興行としては34年ぶりの開催となった東京ドーム。井上は文面に「そりゃ良い意味でも悪い意味でもいつもより気合いは入ってたよ それが1ラウンド目を含め悪い方向に転んだとは思ってない!! あれはネリの渾身の一発だった」と記し、対戦相手に敬意を払いつつ、一部で油断していたとの声を一蹴。決して悪い試合ではなかったと強調した。

大舞台に気合が入っていたと正直に吐露したモンスター。同時に計り知れないプレッシャーがあったことも容易に想像がつく。自身が持つ日本男子の世界戦連勝記録を「22」に伸ばし、プロ戦績27戦全勝という前人未到の金字塔を打ち立てるなど、あらためて最強伝説を証明した。

構成●THE DIGEST編集部

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