俳人・小説家の瀧井孝作による私小説を映画化 「初めての女」公開決定

俳人で小説家の瀧井孝作が晩年に執筆した私小説「俳人仲間」に収められた作品の映画化作「初めての女」が、2024年6月22日より劇場公開されることが決まった。

「初めての女」は、明治末期を舞台に、北アルプスの山々に囲まれた地で育った青年・瀧井孝作を描いた作品。父親の事業が失敗して丁稚奉公に出され、窮屈な日々を過ごしていた孝作。幼い頃に兄や母を亡くし、寂しい孝作の拠り所は俳句に没頭することだった。そんなある日、西洋料理屋の女中・玉と出会った孝作は、美しい年上の女性の魅力に惹かれていくが、次第に玉の言動や噂から不信を募らせていく。そんな折、玉と訪れた店で三味線芸者の鶴昇(加藤菊)と出会った孝作は、玉が孝作の元から去った後、鶴昇にのめり込み始め、次第に俳句からも遠ざかってしまう。

瀧井孝作は、志賀直哉を慕い、芥川賞の選考委員を創設から46年間にわたり務めた人物。瀧井孝作を演じるのは、井筒和幸監督や上田慎一郎監督の作品に出演してきた髙橋雄祐。まだ何者でもない青年が、2人の女性と出会い、そして別れという現実に直面し、深い悲しみと葛藤に包まれる姿を繊細に演じた。孝作が出会う西洋料理屋の玉役には芋生悠、芸者の菊役には劇中で特技の三味線を披露しているた三輪晴香が顔をそろえる。寂しさの中に生きる二人の女性を、それぞれ演じた。監督・脚本は、元漁師という経歴を持ち、本作が劇場デビューとなる小平哲兵が務めている。

【作品情報】
初めての女
2024年6月22日(土)より ユーロスペースほか全国順次公開
配給:TRYDENT PICTURES
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