「アービングは素晴らしい」不調のドンチッチがチームメイトに感謝「全員がワシントンを信じている」<DUNKSHOOT>

2シーズンぶりにプレーオフの舞台へ復帰したダラス・マーベリックス。ロサンゼルス・クリッパーズとのファーストラウンドでは初戦こそ落とすも、第2戦以降の5試合で4度も相手を101得点以下に抑え込む堅守を披露し、4勝2敗でシリーズを突破した。

続くオクラホマシティ・サンダーとのカンファレンス・セミファイナルでも、現地時間5月7日(日本時間8日、日付は以下同)の第1戦には95-117で敗れながら、続く2試合で連勝して2勝1敗とリードしている。

ただ、チームの大黒柱ルカ・ドンチッチは右ヒザと左足首を負傷しており、今プレーオフの平均27.7点は自己最少。9.3リバウンド、8.7アシスト、1.4スティールとオールラウンドな数字を残しているとはいえ、フィールドゴール成功率は41.0%、3ポイント成功率も26.4%(平均2.6本成功)と本調子とは言えない。
サンダーとのシリーズでは3戦で平均23.3点、10.3リバウンド、7.0アシスト、2.3スティールと、オフェンス面ではケガもあって苦戦。そのドンチッチは第3戦後に「彼は素晴らしいね。チームのみんなのことも手助けしようとしてくれている。フロアの両エンドでこなしてくれるんだ。彼がいてくれてチーム全員が感謝しているよ」と話していた。

ドンチッチが語った“彼”とはもちろん、相棒カイリー・アービングのこと。自身7度目となった大舞台で、32歳のベテランガードは平均23.3点、4.8リバウンド、5.4アシスト、1.8スティールに加え、フィールドゴール成功率50.7%、3ポイント成功率44.3%(平均3.0本成功)、フリースロー成功率86.1%と高確率なショットで絶大な貢献を見せている。

11日にホームで行なわれたシリーズ第3戦。アービングは第4クォーターに4本のショットをノーミスで放り込んだほか、残り39秒にはリードを5点へ広げる左手フローターを決め切り、105-101の勝利へと導く殊勲者となった。

また、ドンチッチは「僕らは彼のことを信じているよ。彼はものすごい自信を持ってプレーしている。しかもアグレッシブにね」と、PJ・ワシントンの働きも称賛していた。
9日の第2戦で7本の長距離砲を沈めたワシントンは、ドンチッチと並ぶチーム最多タイの29得点に11リバウンド、4アシスト、2スティールと大暴れ。続く第3戦でもチーム最多の27得点に6リバウンド、2アシストとまたもや大活躍し、連勝の立役者となった。

キャリア5年目で初のプレーオフを戦う25歳のフォワードは「僕を見つけてくれる、そして成功する最高のスポットへ導いてくれるチームメイトたちには感謝しかない。僕にとってはすべてが楽しいよ。キャリアのなかでずっとこの舞台に立つことを待ち望んでいた。だからその毎秒を楽しめている」と充実ぶりを語っている。
トップシードのサンダーを相手にシリーズを優位に進めているマブズ。第4戦は13日、本拠地アメリカンエアラインズ・センターで行なわれる。勝利して一気に王手をかけ、2年ぶりとなるカンファレンス決勝の舞台へ近づくことができるか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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