第40回太宰治賞は市街地ギャオ「メメントラブドール」に決定 男の娘コンカフェなどで働く「私」の物語

第40回太宰治賞(筑摩書房・三鷹市共同主催)の最終選考が、2024年5月10日(金)に実施され、選考委員4氏(荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子)による厳正な選考の結果、大阪府在住の市街地ギャオ(しがいちぎゃお)による「メメントラブドール」が受賞作となった。

応募作品総数1405篇から社内選考により最終候補作となったのは、「フォルムレス・ヒール」蒼生行(新潟県)、「アニサキスと何処迄も高い月」敏伊佑季(東京都)、「メメントラブドール」市街地ギャオ(大阪府)、「堆積するもの」村上岳(東京都)の4作品。受賞者の市街地ギャオは、1993年生まれの31歳。贈呈式は6月14日(金)午後6時から如水会館で開催され、受賞者には記念品および賞金100万円が当日贈呈される。

なお、受賞作と最終候補3作品を収録した『太宰治賞 2024』は6月21日に筑摩書房より発売予定。

■「メメントラブドール」作品概略

「私」にはいくつか顔がある。マッチングアプリでノンケの男を喰う「私」、男の娘コンカフェでキャストな「私」、SIer 企業でダウナー院卒若手社員をつとめる「私」、高専時代は姫でいられたかつての「私」、その武器ももはや壊れ始めている「私」、それでも誰かを欲しがる「私」、幸か不幸かすべてが己と理解しつつも世界にエラーが起きていく。貼りつけられたペルソナたちがハレーションする新宿区在住 20 代♂の令和五年。

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