【J2「好調」】清水、17歳MFが豪快ダメ押しゴール 乾不在を感じさせない大勝も秋葉監督「絶対に忘れてはいけないものがある」(2)

清水エスパルスは乾貴士不在でも7連勝  撮影/中地拓也

■開始1分で先制!清水はセットプレーで効果的に加点

「超攻撃的」が爆発した。

J2リーグ第15節が5月11、12日に開催され、11日、首位の清水エスパルスは17位の鹿児島ユナイテッドFCをホームに迎えた。秋葉忠宏監督が指揮する清水は6連勝中で、鹿児島は3試合勝利から遠ざかっている。清水はここまでホームで5勝1分と無敗だ。

互いのチーム状況は、いきなりスコアに反映される。キックオフからわずか51秒で(記録は1分)、清水が先制したのだ。右サイドの直接FKから、MF中村亮太朗がヘディングシュートを叩き込んだのである。相手守備陣がCB高橋祐治とCB住吉ジェラニレショーンを警戒するなかで、彼らふたりの前に入り込んだ中村がシーズン初ゴールをマークしたのだった。

MF乾貴士が離脱中の清水は、前節の3-4-2-1ではなく4-4-2でスタートしている。2トップの一角を担うFWカルリーニョス・ジュニオが中盤へ下りたり、左MF矢島慎也が内側へ立ったりすることで、ボールをスムーズに循環させていった。右MFルーカス・ブラガも内側に立ち、FW北川航也に近いポジションを取りながら右SB吉田豊の攻め上がりを促す。4-4-2の機能性も、確実に高まっている。

鹿児島にボールを握られる場面もあった。ハーフスペースに立つ相手SBをつかまえきれず、それによって前進されたのだが、GK権田修一が身体を投げ出すような場面はない。

43分には追加点をゲットする。矢島の右CKをニアサイドの中村がフリックすると、ゴール正面で北川がフリーになっていた。エースが確実にネットを揺らし、清水は前半を2対0で折り返した。

■17歳・西原がダメ押しの4点目をゲット

2対0のまま試合を進める清水は、68分に矢島を下げてDF原輝綺がピッチに立つ。システムも3-4-2-1に変更される。

その直後だった。DF山原怜音の右CKから、住吉がヘディングシュートを突き刺した。個の質的優位を生かしてオープンプレーから得点を奪うだけでなく、セットプレーからも得点できるようになってきたのが、このところの清水の強みだ。

72分には3枚同時に交代する。1トップ2シャドーをベンチに下げ、FWドウグラス・タンキ、MF松崎快、MF西原源樹を起用する。タンキを頂点に右に松崎、左に西原のトライアングルとなる。

前半の清水は、鹿児島に1本のシュートも許さなかった。後半も全体がコンパクトな距離感を保ちながら、デュエルで相手を上回っていく。守備からリズムを作ることができていた。

スキを見せずに時間を進めていった清水は、82分に西原がチームの4点目をマークする。ペナルティエリア内で相手のクリアボールに反応し、右足を力強く振り抜いてネットに突き刺した。17歳の高校3年生は、自身シーズン2得点目である。

清水はこのまま4対0で試合を締め、J2ではクラブ歴代2位の7連勝を達成した。15試合を終えて勝点37は、昨シーズンのFC町田ゼルビアを上回るペースだ。2位のV・ファーレン長崎には勝点7差、3位のベガルタ仙台には勝点11差をつけている。

それでも、チームは餓えた思いを抱く。フラッシュインタビューで秋葉監督が語った。

「去年の悔しさ、絶対に忘れてはいけないものが我々の背景にはありますから、勝利への飢えとか乾きは絶対になくさずに、優勝するまでしっかりやりたいと思います」

次節は横浜FCとの上位対決だ。この重要な一戦で勝利をつかめば、いよいよ首位固めとなる。

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