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本記事では、サクセスが開発するローグライトアクションSTG『HEAVEN SEEKER コノ残酷ナ世界ノ救イ方』の試遊レポートと開発者インタビューをお届けします。
敵の猛攻はさながら弾幕STG!
本作は、ダンジョン探索型ローグライトツインスティックアクションシューティングゲームです。プレイヤーは異なる特色をもつキャラクター(探索者)を選択し、ダンジョン踏破を目指して攻略していきます。
基本操作は、左スティックで移動、右スティックでエイム、RB/RTでショット、Bで回避というものです。ショットは押しっぱなしで連射できるので、基本的には射撃をし続けて大量の弾で敵を倒していきます。
探索者が連射できる反面、敵の攻撃も激しく難易度は高めです。そこらのザコ敵でも強めの弾幕を展開してくるので、プレイ感はあくまでローグライトアクションでありながら、どこか弾幕STGに通じるところもあります。スティックを少しずつ動かして避ける「ちょん避け」も通用しますよ!
そして本作の醍醐味は、強化の幅が広いこと。「その魔法は、一期一会。」というキャッチコピーの通り、大量の組み合わせがあるアップグレードとそのシナジーが楽しめることを特徴としています。
新たなアイテムは、ダンジョン内にある宝箱を開けることで入手可能。普通の宝箱を開けると1つ、黄金の宝箱を開けると3つの中から選ぶことができます。
試遊では、射程が短くなる代わりに威力が強くなる弾と、近くの敵にホーミングしてくれる弾をゲット。すると、射程が短いことでの狙いにくさという弱点をホーミングが補ってくれるという良い感じのシナジーができあがり、比較的用意にボスを撃破することができました。
しかし、次のフロアでデメリットが大きめのスキルを選んでしまい、苦戦を強いられる羽目に……!こうした上下の振れ幅が大きく、ローグライトらしい楽しみが味わえる作品でした。
元ケイブのSTG好きが作ったローグライト
ここからは、サクセスの開発スタッフに行ったインタビューをお届けします。
――本作のプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。
サクセス……本音と建前、どっちが聞きたいですか?
――えっ!?両方聞かせてください。
サクセス はい。僕は以前ケイブ(※『怒首領蜂』シリーズなど弾幕STGで知られるゲームメーカー)に務めていたこともあり、いつかシューティングゲームを作りたいと思っていました。そんな折に、会社の方でゲームの企画を出さないかとなり、一念発起して出した……というのが建前です。
本音を言うと、取り掛かっていたプロジェクトから逃げ出したかったという気持ちがありました(笑)。なので、通ったら逃げられるだろうなと思ってとりあえず肉付けして会社に出しました。
……正直難しいだろうなと思っていたのですが、企画が通っちゃったので「やったー!逃げられるぞ!」と喜びました(笑)。
――なるほど(笑)。プレイフィールが結構シューティングっぽいなと思ったのですが、ケイブ出身とのことで腑に落ちました。シューティングとダンジョン探索ローグライトを組み合わせた理由はありますか。
サクセス僕は元々STGが好きだったのですが、反面苦手でもありました。そんな中、開発初期に360度のシューティングゲームが流行り始めていたので、そこを組み合わせちゃおうというのがひとつあります。
反応として、『Enter the Gungeon』に似ているとよく言われます。確かにその通りなのですが、『Gungeon』は当たり判定が大きくて難しいんですよね。なので、今までシューティングを触っていた経験から、弾幕STGのように小さな当たり判定にしたら面白くなるのではないか……というような部分を企画して詰め込んでいます。
――発売が近づいていると思いますが、完成具合はいかほどでしょうか。
サクセスもうほぼ出来上がっています。あとは調整や修正作業がありますが、終わりに近づいています。
――ローグライトアクションはかなりメジャーなジャンルかと思うのですが、その中で本作ならではの“推しポイント”があれば教えてください。
サクセスアップグレードでショットがぐちゃぐちゃになっていくというところは推したいですね!Steamで配信しているプロローグ版だけでも1,000~2,000くらいの組み合わせがあるのですが、製品版になるともっともっと増えます。
プロローグでは順当に強いショットに強化していけるのですが、製品版だと一見「これどうやって使えばいいんだ!?」と驚くような組み合わせもあります。遊べば遊ぶほど自分だけの新しいショットが見つかるので、「こんなおもしろい組み合わせあるのか!という風に発展していくのが一番の推しポイントですね。
――試遊ではホーミングをつけるだけでもだいぶ強かったのですが、もっともっと強くできるんですね。
サクセスクセのある組み合わせも多いです。例えば、撃ったらすぐ自分の方に戻るブーメランのようなショットがあるのですが、戻ってくるときに当たり判定が大きくなるので、そうした性質をうまく利用すれば近接戦闘では強力です。
開発中、チームのみんなでテストプレイをするのですが、「この組み合わせすごい面白いよ」とか、「これはちょっと強すぎるかも」とか「その組み合わせなにがいいんだよ!」「いやいや、こうやって使うとめっちゃ強いんだよ!」とか、社内でバトルが始まるくらいです(笑)。
――ローグライトは振り切れた強さのビルドが作れるほど楽しいですよね(笑)。
サクセスかなり踏み切った作りにはなっているため、難易度も高めです。配信も全然OKなので、何度も何度もプレイしてさまざまな組み合わせを楽しんでほしいです。
――ありがとうございました!
『HEAVEN SEEKER コノ残酷ナ世界ノ救イ方』は、PC(Steam)向けに2024年夏発売予定。無料で遊べるプロローグ版も配信中です。