黒人ゲーマーたちのキャラメイクゲーへの意外な悩みとは―『FIFA』や『NBA 2K』などの好事例を交え日本のゲームにも言及

黒人ゲーマーたちのキャラメイクゲーへの意外な悩みとは―『FIFA』や『NBA 2K』などの好事例を交え日本のゲームにも言及

とある黒人ゲーマーが自分たちの髪型をもっとゲームに反映してほしいと投稿し優れたゲームの事例を挙げて話題を呼んでいます。

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髪型は黒人の自己表現であり文化

As a black gamer, I don't care about anything else, I just want a robust character creation that let's me make a character who looks like me. I want multiple afro textured hairstyles. I'm tired of games only having cornrows, afros, and dreads.(黒人ゲーマーとして、他のことは何も気にしません。私は自分自身のように見えるキャラクターを作れるキャラクター作成機能が欲しいだけです。複数のアフロテクスチャーの髪型が欲しいのです。ゲームの髪型でコーンロウ、アフロ、ドレッドしかないのにはうんざりです。)と題した投稿がwisesonAC氏によって行われました。

同氏は自分のオリジナルキャラクターを黒人女性にしたい願望があり、バントゥノットとナッピーテンプフェード、ツイストなど黒人に人気のある髪型を使用したいことや黒人にとって髪型は表現文化であることを解説し、自分自身を正確に反映できるアバターがないのにどうやってファンタジーやサイバーパンクの世界に没頭できるのでしょうか。と問いかけています。

黒人ゲーマーが優れていると思うゲーム達

続いて、同氏は悪い例と良い例を挙げており悪い例として数々のゲームで黒人のキャラクターを作ることが困難であることを嘆く意見やカスタマイズが少なすぎることを悲しむ動画などが見られました。反対に、良い例には数々のゲームに登場する黒人のキャラクターが挙げられています。

中でも『FIFA』や『NBA 2K』といった黒人選手が多数登場するスポーツゲームは多くの好事例があるようです。そのほか、『The sims 4』のように人物を作成するゲームや『Last of US Part II』や『Overwatch 2』などの名前がみられました。海外作品が多い中、日本の作品からは『鉄拳8』のリロイ・スミスや『FF XIII』のサッズ・カッツロイ、『FORSPOKEN』のフレイ・ホーランドの名が好事例として挙がっていました。

これに対し、様々な意見がみられました。

「NBAには500人のクールなヘアスタイルの黒人選手がいて参考にできるのに、彼らは「ブラックパンサー」を参考にするんだ」との意見に、「「ブラックパンサー」というよりはキルモンガーだけを参考にするんだ」という返信がついたり「キルモンガーはいくつかのヘアスタイルがあったのに、多くのクリエイターはドレッドのコームオーバーフェードしか思いつかないんだ」というコメントが見られ、黒人キャラの髪型のバリエーションが少ないことが伺えます。

他には、「アジア人になってみてください。野球以外のゲームでは基本的なモデルさえありませんよ。ははは。」や「The Open Source Afro Hair Libraryというサイトには黒人の開発者が使えるヘアスタイルのリソースがある」といった情報、「私も黒人ですがいろいろな髪型があるとうれしいですがあまり髪型にくわしくありません。聞いたところによると、黒人の髪はレンダリングが難しいことや、様々な髪型を知っている人を開発に参加させるかどうかを開発者やパブリッシャーが決めなくてはならないでしょう」といった声も見られました。

この話題を日本人に置き換えると、日本人らしいアバターを作りたいけどなんだかちょっと違うという時に感じる違和感のようなものではないでしょうか。「眉上の高さで切られた姫カットぐらいしか髪型ないなあ…」なんて経験をしたゲーマーも少なくなさそうです。

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