デュエルの強さ、組み立て、好機創出…攻守で存在感発揮の鎌田大地、現地メディアからはチーム最高評価も!「謎めいた存在だったのは遠い過去」

5月12日に行なわれたセリエA第36節で、ラツィオはエンポリを2-0で下し、7位(ヨーロッパリーグ出場圏内)以上を確定させている。

本拠地オリンピコでの一戦、ボールポゼッションでは大きく上回りながらも、降格の危機から抜け出していないアウェーチームに多くのシュートを浴び、ピンチも迎えたラツィオだったが、前半アディショナルタイムにCKからパトリックが先制。そしてリードを保ったまま迎えた89分には、タイミング良く上がったマティアス・ベシーノのシュートでダメ押し点を挙げ、2戦ぶりの勝利。連続無敗を5試合(公式戦6試合)に伸ばした。

イゴール・トゥドール政権が始動して以降、セリエAでは7試合連続でスタメンに名を連ねた鎌田大地は、この試合でも中盤で存在感を発揮。効果的なプレーを幾つも披露し、出場した88分間のスタッツは、ボールタッチ71回(全体3位)、シュート1本(枠内)、パス55本(成功51本)、キーパス2本、ドリブル2回(成功2回)、タックル6回(成功5回)、インターセプト1回、ドリブルで抜かれた回数1回、ファウル2回を記録している(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。
自身のSNSでチームメイトと喜びを分かち合う場面の画像を公開した背番号6のプレーについて、現地メディアの評価を見ると、10点満点の採点では大手スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』がチーム最高タイの「7」、『Corriere dello Sport』紙も「7」(チーム最高タイ)、日刊紙『CORRIERE DELLA SERA』は「6.5」(チーム2番目)、『Il Messaggero』紙は「7」(チーム2番目タイ)、そして『La Repbulica』は「7」(チーム2番目タイ)を、それぞれ与えた。

この中で『Corriere dello Sport』紙は、寸評で「鎌田は1対1で4回、デュエルで7回の勝利を記録するハイパフォーマンスを発揮。クオリティーは高く、プレーのタイミングも良かった彼は、オリンピコの観客からも称賛を受けた」と絶賛している。

一方、『Roma Today』紙の採点は及第点の「6」に止まり、寸評では「日本人選手のプレーはポジティブなものだった。ボールを失ってチームに危険をもたらしたが、それは一度だけに終わり、後半はそのパフォーマンスが向上した」と振り返った。『LEGGO』紙も同採点で、寸評は「ボールを奪取する際には良いプレーを見せつつも、攻撃を構築する際にはミスもあった。後半には、より攻撃的なポジションに移されたが、その後のパフォーマンスはあまり良くはならなかった」と、こちらはネガティブな内容になっている。

スポーツ専門放送局『Sky Sports』はチーム最高タイの「6.5」で、『EUROSPORT』も同採点とし、寸評では「攻撃陣に利益をもたらす幾つかの優れた走りを見せた」と、その適切なタイミングでの動きや献身性を評価し、こちらも同採点(チーム2番目タイ)とした。

スポーツ専門サイトでは、『Vi SPORT』が「最も多くのチャンスを創出し、最も多くの1対1での勝利、デュエルでの勝利を記録した」として「7」の高採点を付与し、『OA SPORT』は「活発であり、プレーのリンク役となり、必要に応じて前線にも飛び出した。あらゆるパスが効果的で、ボールコントロールも正確だった」とポジティブに評し、採点は「6.5」とした。
サッカー専門サイト『calciomercato』も「6.5」で、こちらも「トゥドール監督の手厚い指導で生まれ変わった。わずかなミスはあるものの、鎌田は全力を尽くしてルイス・アルベルトの不在を感じさせないように努めた」と称賛。また、『TUTTOmercatoWEB.com』も同採点を付与し、以下のように寸評を綴っている。

「他の守備的な選手同様、序盤にはボールロストを犯したものの、その他のプレーでこの日本人選手は明らかな改善を見せている。チームにバランスをもたらし、アイデアを提供するなど、ピッチ内で最も優れた選手のひとりだった。オリンピコは彼を称賛し、拍手喝采を贈った。かつての、謎めいた存在だった時代は、はるか遠い過去のものである」

最後に、ラツィオのクラブ専門サイト『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』は、「ボールコントロールでミスをすることがあるものの、全体的には中盤でのボール奪取後にファンから拍手喝采を浴びたように、ポジティブなパフォーマンスを発揮。絶え間ないランニングも見せ、その力に疑う余地はない。シーズン前半とは別人だ。終盤には、攻撃的な位置に上がった」と賛辞を贈り、採点はチーム2番目タイの「6.5」を与えた。

構成●THE DIGEST編集部

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