生まれつき耳が聞こえなかった1歳半の女の子、聴力戻った!遺伝子治療で「ほぼ正常」に 英国で奇跡的回復

先天的聴覚障害を持つ女の子が、遺伝子治療によって聴力を取り戻したことが話題になっている。英国のオックスフォードシャーに住むオパール・サンディちゃん(1歳6カ月)は、生まれつき耳が聞こえなかった。国際的な遺伝子治療臨床試験の一環として治療を受けたことで、「音」を知ることになった。

両親にとっても、まさに奇跡的な出来事だ。オパールちゃんの母・ジョーさんは、「術後24週目で『ほぼ正常な聴力』になったと言われた。娘は本当に小さな音に反応していた」と話し、父・ジェームズさんは、「娘が反応したのと同じ音を聞かせてもらったが、あまりにも柔らかく、静かな音だったので驚いた。日常生活では気づかないような音だった」と愛娘の様子を説明した。

医師によると、この治療法は子供の難聴の原因となるさまざまな遺伝的疾患と闘うことができるとし、「遺伝子治療を開始し、様々な種類の遺伝性難聴を持つ幼い子供の患者の聴力を回復させることができる。実際に聴力を回復させ、一度で完了させるアプローチが可能に」と述べた。さらに「人工内耳やそのほかの技術に取り換える必要がない」と、遺伝子治療の利点を強調した。

ほぼ前例がないケースの遺伝子治療だけに、現時点では、すべてを見通せないという部分もある。しかし、治療は現時点で大きな“成果”をもたらしているようだ。

母・ジョーさんは「娘に悪影響が起こる可能性があるという証拠がない中で、私たちは非常に特別な機会を与えられたと思う。子供が直面する障害が何であったとしても、娘が多くの親にとって潜在的に障害を乗り越えやすくする機会を与えられたことは、価値あるリスクだったと思う」と話していた。

(ロイター/よろず~ニュース編集部)

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