弘前城「石垣」の修理 積み直し作業は2024年で完了予定 「景観や天守支える丈夫さが重要に」

弘前城の石垣の2024年度の修理工事が始まりました。石の積み直しは、2024年内で完了する予定です。

石の積み直しは、2021年度に始まり、全部で2185個の石を積み上げ、高さ13メートルの石垣にします。

2023年度までの3年間で、全体の4分の3が完了していて、最終となる2024年度は549個の石を残すばかりです。

現場には、トラックで石が搬入され、積む順に並べられていました。

解体された石の中には、ひび割れによってそのまま使うことができないのが全体の2%、50個ほどあります。

そのため、岩木山から切り出した石を新たに切り刻んで同じ形の石を造る作業も並行して行われます。

2024年度に積み上げる549個の石は、天守が載る部分の石垣になります。残る石の段数は8段で、天守が載る部分には、さらに4段積み上がるということです。

【弘前市弘前城整備活用推進室 関剣太郎主幹】
「今年(の工事)は、天守台の下の部分、天守を支える部分になります。一番景観としても重要になってくる部分でもありますし、皆様が見る機会が多い部分になりますので、今まで以上に丈夫なものを造っていけたらと思います」

石の積み上げは、6月上旬に始まり、工事は12月いっぱいまでに終える予定です。

石垣の修理工事がこれまでどう進んできたのか、改めて振り返ってみましょう。

2014年度に、内堀の埋め立て工事に始まり、翌年度には天守の曳屋をしました。大きなあの天守がそのまま移動し、今の位置に来たのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

その後、石垣の解体作業が、そして3年前には石垣の積み直しが始まり、2024年度で完了するとなっています。

そして、2025年度には耐震対策工事があります。

熊本地震を受けて加えられた工程です。そのため、当初より2年ほど工事が長引いています。

天守の曳戻しを2年後に終え、2027年度に完了する予定です。

下乗橋から天守を眺める光景は、まだもう少し先ということになります。

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