地震被害の白米千枚田で田植え開始も…輪島市内での農業再開は5割に留まる

元日の地震で被災した輪島市の観光名所「白米千枚田」では、おととい、田植えが行われました。

ただ、市内全体で農業を再開できているのはまだ5割ほどです。

現状を取材しました。

おととい、輪島市の白米千枚田では全国各地からオーナーおよそ50人が集まり今シーズンの田植えが始まりました。

大阪から参加したオーナー:

「なにか役に立てる、地元貢献というかそういうのがしたいと思って参加しました」

元日の地震で大きな亀裂が入るなど、およそ8割が被害を受けた白米千枚田。

世界農業遺産「能登の里山里海」のシンボルとして復興への第一歩になればと地元の有志を中心に復旧を進め1000枚あまりの田んぼのうち、120枚で修復が完了したということです。

白米千枚田愛耕会・白尾 友一 代表:

「ほんとにここまでできると思ってないんですよ。本当に全部と言っていいほど手作業なのでメンバーが集まらないとここまでできないんです。本当に感謝です」

ただ、市内全体では農地や用水路が被災し、いまだにおよそ5割の農家が農業を再開できていません。

取材班が出会ったこちらの男性も田植え作業はこれからだといいます。

農家の男性:

「水がこないというか、用水が結構壊れていて水がこないというのと、あと田んぼも傾きがあって…」

例年であればゴールデンウイークには田植えが終わっていますが復旧作業に時間がかかりおよそ2週間遅れで作業を始める予定です。

別の農家の女性も。

「去年からみると(田植え時期は)ぐーんと遅いですね」

「防止してもあれだけ(水が)漏れるんです」

「水を入れだしたら、こっち下のほうまで水が流れてしまって、ああ漏れとるんやわって。去年はこういうことなかったんやけど」

できるだけ水が漏れないようシートで調整しながら田植えを進めているといいます。

ただ、今後の見通しは…

「これから大変ですね。これから仮設のほうに行かないといけないし、そうすると違う場所だとなかなかできないし…」

「来年もやっていけたらいいなと思っていますけども、わからないだらけで、来年のめどが立ちません」

輪島市・坂口 茂 市長:

「農業の再生は5割ほどと聞いています。そういった面では、まだまだ復旧作業が必要な状態」

「市としてもこれまで以上に手厚い支援をして、農家の方にできるだけ負担にならないように応援していきたいというふうに思っています」

市内では、農地に亀裂が入るといった被害が223件、水路が破損、崩壊するといった被害が326件確認されていて一刻も早い復旧が求められています。

© 株式会社テレビ金沢