セルティックスが講じたキャブズ撃破の“秘策”「僕に絶対リバウンドさせないと感じた」とモーブリーが告白<DUNKSHOOT>

今季、6シーズンぶりにカンファレンス準決勝へと駒を進めたクリーブランド・キャバリアーズ。その舞台で優勝候補ボストン・セルティックスに最初の2試合で1勝1敗、相手のホームコート・アドバンテージを奪ったものの、続く第3戦に93-106で敗れ、シリーズ戦績は1勝2敗となった。

この試合、キャブズはドノバン・ミッチェルが33得点に6リバウンド、2スティールと攻守で奮闘。そのほか、エバン・モーブリーが17得点、8リバウンド、ダリアス・ガーランドが15得点、6アシスト、キャリス・ルバートが15得点、6リバウンドを残すも、勝利には届かなかった。

第2戦でゲームハイの10リバウンドをもぎ取っていたモーブリーは、第3戦を終えて米メディア『Clutch Points』へこう漏らしていた。

「相手は僕に“リバウンドを獲らせないこと”に重点を置いていると間違いなく感じた。それでも対抗し、毎回リバウンドを奪おうとやってみた。けど解決策を見出せない時だってある。
相手は僕らのポゼッションを通して自分のことを追跡し、いい仕事をした。ガード陣がレイアップしたら、いつでも僕を見つけ出し、ボードから遠ざけようとしていたんだ」

両チームによるシリーズは、ここまでいずれも勝利チームが相手に13点差以上をつけて白星を手にしている。そして初戦はセルティックス(55-38)、第2戦ではキャブズ(44-31)、第3戦ではセルティックス(44-35)が、リバウンド面で優位に立っている。

セルティックスはクリスタプス・ポルジンギス(ふくらはぎ)、キャブズはジャレット・アレン(肋骨)が故障により3試合連続で欠場中。アレンはシリーズ中に復帰する可能性があるのだが、13日の第4戦で出場できるかは微妙なところだ。

「スイッチをたくさんしてきた。前回、相手は僕にいろんなディフェンダーをぶつけてきた。僕をスローダウンさせようとしているんだと感じた。彼らがスイッチしてきたら、僕らとしてはこれまでとは違うアドバンテージを見つけ出す必要がある」
アレンの復帰が微妙ななか、モーブリーがそう語ったことから、キャブズは第4戦で先発陣にメスを入れる可能性がある。そのカギを握るのが、ヒザを痛めて3月中旬から欠場していたディーン・ウェイド。第3戦で復帰し、16分48秒のプレータイムで5得点、3リバウンド、3アシスト、1ブロックとまずまずのパフォーマンスを見せていた。
キャブズの先発陣は185cmのガーランド、190cmのミッチェル、196cmのマックス・ストゥルースとアイザック・オコロに211cmのモーブリーという5人。ストゥルースかオコロに代えて206cmのウェイドを入れ、モーブリーのリバウンド面をサポートするのもひとつの手段だろう。

もちろん、理想はセンターのアレンが復帰し、モーブリーと2ビッグを形成すること。ただ、それができないのであれば、ウェイドをスターターに入れて、高さでセルティックスに対抗することを選択肢に入れてもいいのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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