からあげグランプリ2年連続4回目の最高金賞受賞 岩手・一関市の鶏肉生産加工会社の唐揚げのおいしさの秘密に迫る 【トレンドいわて】

唐揚げの味を競う今年の「からあげグランプリ」で2年連続4度目の最高金賞に輝いた、一関市の鶏肉生産加工会社が作る唐揚げのおいしさの秘密に迫りました。

一関市室根町の鶏肉生産加工会社「オヤマ」が運営する「からあげ家」の「室根からあげ」が、先月ある快挙を達成しました。

日本唐揚協会が主催し、今年で15回目を数える「からあげグランプリ」の「東日本しょうゆダレ部門」で、2年連続、通算4回目の最高金賞を受賞したのです。

からあげグランプリは、唐揚げの普及や消費拡大を目指して毎年行われている、全国のからあげファンやグルメ通がインターネット投票で日本一のからあげ屋を選ぶ恒例のイベントです。

4月9日には、室根からあげの2年連続4回目の最高金賞受賞の快挙を祝って、一関市の佐藤善仁市長らを招いて祝賀会が開催されました。

(オヤマ 小山 達也 常務)
「2年連続で(最高金賞を)取れたことは、甲子園で優勝するぐらいの気持ちでした」

高い評価を受ける室根からあげ。そのおいしさの秘密を探るため、まずは唐揚げを販売する店を訪ねました。

この道15年。からあげ家・道の駅むろね店の永澤和枝さんに作り方を教えてもらいました。味付けのしょうゆダレの材料は、すりおろしたタマネギとショウガ、そしてしょう油の3種類だけ。非常にシンプルです。

そして薄く衣をつけたあと、180℃の油で5分揚げれば、外はサクサク、中はジューシーな唐揚げの完成です。

(永澤 和枝 さん)
「シンプルな味付けと一番はいわいどりというお肉がおいしいので、そこに尽きると思います」

次に訪ねたのが、室根からあげに使用している鶏肉を生産する工場です。生産されているのは県産銘柄鶏の奥州いわいどり。室根からあげには、このモモ肉を使用します。

(キャスターリポート)
「こちらが鶏肉の処理を行う工場です。ものすごい数の鶏肉が処理されています」

こちらの工場では、1日におよそ3万5千羽の鶏が処理されています。工場を専務の小山雅也さんに案内してもらいました。

(オヤマ 小山 雅也 専務)
「検品をしっかりして、お客さまに一番いいものを届けられるように気を付けている」

オヤマの鶏肉は、生産、処理、加工、流通、販売までを一貫して行っているのが強みです。銘柄鶏の一つ奥州いわいどりは、飼料にナラの木酢液、海藻などを使用することで、一般的な鶏肉よりも旨味成分が多いとされています。

オヤマが唐揚げの販売を始めたのは、今から46年前。惣菜を扱う食品センターの1978年の設立までさかのぼります。今でも変わらないというレシピを当時考案したのは、小山さんの祖母、良子さんです。レシピには、自社で生産する鶏肉のおいしさを多くの人に伝えたいという思いが込められていました。

より多くの人においしい鶏肉を届けるため、来年春には「オヤマ」の新工場が完成する予定です。

(オヤマ 小山 雅也 専務)
「我々も今まで図面しか見ていなかったが実際のものを見ると圧倒されますね」

鉄骨2階建て、延べ床面積1万7000平方メートル。最新機器も導入し、鶏肉の処理数は、これまでの倍以上の1日8万羽となります。

(オヤマ 小山 雅也 専務)
「唐揚げはたかが唐揚げだが、それらの製造を保証する一つのアイテムになる」

からあげグランプリ最高金賞受賞の室根からあげ。その魅力の裏には鶏肉の品質への自信と、おいしさを多くの人に伝えたいという思いがありました。

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