【イチバン!!】“ピザアクロバット”世界一 旭川のピザ職人 味だけではなく 目でも楽しめる至福のピザ

HTB『イチオシ!!』でお届けしている「イチバン!!」のコーナー。今回は道産食材にこだわったピザを全国、そして世界に広めようとしている旭川のピザ職人2人をご紹介します。味だけではなく目でもお客さんを楽しませる、世界一のピザ職人なんです!

みんな大好き!ピザの定番、マルゲリータに…。

旭川市江丹別で作られたブルーチーズがアクセントになっている、クワトロフォルマッジも。

今回のイチバン!主人公は、旭川在住のピザ職人2人、武石一徳さんと立川巧さんです。

武石一徳さん「もともとイタリア料理自体が、地元を大事にする料理なので、ぼくらも地元、北海道や旭川のものをできれば使いたいというのが常にありますね」

北海道の食材を生かしたピザを作りたいと、旭川出身の武石さんはおよそ9年前に「北海道ピザジョコーソ」というプロジェクトを立ち上げました。

武石さんは夏の間は、中富良野と旭川で店舗を運営し、それ以外の時期は、全国の物産展を飛び回ってピザを販売しています。

もう一人のプロジェクトメンバー、立川さんは茨城県出身。知り合いだった武石さんの店で2017年からアルバイトをしていましたが、旭川が気に入り、そのまま移り住んだそうです。今は、旭川市内の店舗の店長を務めています。

立川巧さん「(旭川は)海のものだって集まる場所、流通の中心拠点だし、山のものも。食材のクオリティやおいしさはかなり高いので、楽しくできますね」

ピザ職人の武石さんと立川さん。2人にはもうひとつの顔があります。

手に吸い付くように自由自在に回るピザ生地。

足の下を通す離れ技に…2枚の生地を同時に操る高度なパフォーマンスも。

2人はそれぞれピザアクロバットの大会のチャンピオンなんです!

ピザアクロバットとは、職人がお客さんを楽しませようと始めたピザ回しが発展したもの。

世界大会も開かれていて、技の難易度、独創性、音楽とパフォーマンスがマッチしているかなどを競い合います。

武石さんは、日本でイチバンになり、世界大会でも上位常連。

立川さんは、イタリアとアメリカの世界大会でイチバンになりました。

「TakumiTachikawa~」

4月にも、ピザの本場イタリアで世界大会が開かれたばかり。各国から腕利きの職人が参加する中、2人で入賞を果たしました。

ピザアクロバットを記者が体験させてもらいました。

パフォーマンス用のゴム製の生地を使います。

武石一徳さん「ぼくがイチバン得意としている技があるんですけど、手を伸ばす。伸ばしてここを通す。ここの上を転がす

記者が何度かチャレンジするものの、うまくできません。

鈴木麻友記者「無理でした。修行の道のりは険しいです」

武石一徳さん「生地がしっかり先端まで通る、きれいな丸で通るのを意識するのが難しい。基礎的な技だけど、いかにきれいに見せるか。結構これだけで世界大会でもわ~っと沸いてくれるので」

良いパフォーマンスを称え合うのが、ピザアクロバット界の文化。大会を通して、世界の職人とつながることができるのもひとつの魅力だといいます。

立川巧さん「自分はそんな言語上手な方ではないので、ピザを作ったり、アクロバットをやったりすると、向こうの人と距離がぐっと縮まるし、世界とつながる自分の中の1個の大きなコミュニケーションツールになっていると思います」

2人が出場しているピザの大会は、毎年アメリカとイタリアで開催されていて、ピザアクロバットはあくまで大会の一部門です。

2人は毎回料理の部門にも挑戦しています。今年イタリアで開かれた大会で、武石さんはパスタやリゾットなどの部門で審査員特別賞を受賞。立川さんは出場した日本人の中で最もおいしいピザを作ったと評価されました。

大会で作ったのは「ピッツァインテーリア」という種類のピザ。天板で焼いたピザという意味です。

立川巧さん「丸いのを四角く焼いただけじゃなくて、製法が違う。こういった感じで断面が。焼くと軽い触感で、薄い生地が層になってバリバリっと軽く食べられる」

イタリアでは定番というこのピザは、生地作りと焼く行程に時間がかかるため、日本で食べられる場所はまだ少ないと言います。

例えばいまの季節だと、どんなピザになるのか?世界で評価された技を使って、クリーム状に練ったタラと富良野産のアスパラがのったピザを作ってくれました。

鈴木麻友記者「いただきます。音聞こえましたか?ザクザクっと。中はちょっともちっとした部分もありますね。食感の違いが1枚のピザでどっちも楽しめるのがいいですね。チーズの塩気とタラの淡泊だけど、クリーミーな感じ。とてもよく合います」

立川巧さん「日々おいしいのを作ろうと思って日本で仕事をしていて、そこで考えたものがちゃんと評価されるのは、この方向性でちゃんと評価してもらえるんだという目安にはなります。(世界大会という)大きい枠組みで1位を狙えもするので、うれしいけどまだ途中だなと」

世界の舞台に挑み続ける2人。

武石一徳さん「北海道ピザジョコーソのピザを旭川で食べたいよねってなったら、来てもらえるじゃないですか。世界中の人が『あいつらのピザ食べたい』って来てくれたら面白いし、そうなったら自然に旭川に来てくれる状況を作れるので、そうなったらいいなと思いますね」

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