新潟県内だけではなくお隣・長野の人たちからも親しまれ、夏には多くの人でにぎわう上越市の海水浴場。いま、海水浴シーズンを前に深刻な問題を抱えています。
上越市の鵜の浜海水浴場。
広い砂浜と透明度の高さが自慢でした。
しかし、今ある異変が起きています。
(リポート)
「こちらの海岸では波によって砂浜が削り取られ、このように急勾配となっています。さらに、奥では埋もれていたコンクリートがむき出しとなっています」
こちらはことし1月のはじめに撮影された写真。
写真の真ん中にあるコンクリートが砂にすっぽりと埋まっています。
しかし、1か月も経たないうちに砂がなくなり、コンクリートがむき出しとなっていたのです。
〈上越市 柿崎区総合事務所 石澤親久さん〉
「北北西から風が吹いたり波が来たりするので、高い波と強い風で砂を持って行ってしまっている状況があってそれがどんどん進行してきたんだろと思われます」
冬の日本海の荒波によって砂浜がごっそりと削り取られたというのです。
現在の海岸を上空から見てみると…
去年は約120メートルの幅が海水浴場の範囲でした。
しかし、今はほとんどの砂浜が浸食されているのが分かります。
海水浴場を開設する上越市によりますと、沖合には海岸の浸食を防ぐ3つの離岸堤が設置されています。
しかし、離岸堤のない北北西から波が海岸に当たることで海水浴場の砂が削り取られたとみられています。
海水浴場のシンボルとして親しまれていた人魚像。流されないよう上越市が一時撤去する事態に。
去年の夏はおとなり長野などからも2万5000人が訪れた鵜の浜海水浴場。
温泉宿にとっても海水浴シーズンが一番の書き入れ時です。
〈割烹旅館日本海 丸山政仁 支配人〉
「もとに戻すには5年10年の月日がかかると思うので、夏の海水浴がシーズンでお客さんがどう感じるかが一番心配ですね」
県は今後、海岸の浸食を防ぐために沖合に新たに2基の離岸堤を設置する予定だということです。
また、上越市は県が発注した工事で出た砂を利用し、浸食された一部を埋め海水浴場として整備する計画です。
〈上越市柿崎区総合事務所 石澤親久さん〉
「ブロックがむき出しになったり、 土台がありますのでそういう所は立ち入り禁止の措置をしながら安全対策を講じながら安全に海水浴を楽しんでいただけるように対応していきたい」
〈割烹旅館日本海 丸山政仁 支配人〉
「海水浴ができるようには努めておりますので心配なくお客さんには来てもらいたいですね」
鵜の浜海水浴場では今後砂の搬入作業をしたのち7月13日に海開きを迎えます。