30歳までに「年収600万円」を達成したいです。いわゆる「高年収」に当てはまると思うのですが、上位何パーセントですか? どれだけ余裕のある生活ができるでしょうか?

年収600万円超は上位約22.6%

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の給与階級別分布は図表1のとおりです。

図表1

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査より筆者作成

年収400万円超の人は上位約48.8%ですが、年収600万円を超えると、上位約22.6%に入るようです。同調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は458万円であるため、年収400万円の人は平均給与未満、年収600万円の人は平均給与より多い給与を得ていることが分かります。

年収600万円の人の手取り金額目安

続いて、年収600万円の人の手取り金額を確認しましょう。

手取り金額は、その人の扶養家族の有無などにより変化するため、一概にはいえませんが、一般的には年収の約75~85%相当になります。そのため、年収が600万円の人の手取り金額は約450万円~510万円が目安となります。単純に月額換算すると約37万5000円~42万5000円です。

年収400万円の人の場合、手取り金額はおよそ300万円~340万円であり、単純に月額換算すると約25万円~28万3000円です。そのため、年収が600万円になると月額換算した手取り金額は、12万5000円~14万2000円程多くなるようです。

家賃の目安

一般的に、家賃は「手取り金額の3分の1以内」と言われることが多くなっています。年収600万円で考えた場合、月々の手取り金額を36万円とすると、約12万円以内が目安となります。

単身世帯か2人以上世帯かにもよりますが、都内23区でもじゅうぶんな選択肢の中から住居を選ぶことができそうです。地方の場合はより低い家賃水準となるため、さらに住居の選択肢が増えるでしょう。

住宅購入価格の目安

30歳で年収600万円となると、年齢的にも年収的にも住宅購入を検討する人が出てくるのではないでしょうか。その際、住宅ローンを組む前に考慮すべき指標として「年収倍率」があります。年収倍率は世帯の年収額を基準として、住宅購入価格が適正かを判断するためのものです。

例えば、大手銀行で住宅ローン借入審査を受ける際は、年収の約5~6倍までを上限に判断することが多いようです。年収600万円の人の場合では、およそ3000万~3600万円までの購入金額であれば妥当と判断できそうです。

車の購入金額の目安

車の購入金額の目安ですが「年収の半分以内」が一般的と言われています。住宅ローンをはじめとした負債の状況などは人により異なりますが、年収600万円の人であれば、300万円を上限として車の購入を検討するとよいでしょう。

一方で、車は購入費以外に維持費もかかるため、家計を圧迫することがないか、よく確認した上で購入を検討するとよいでしょう。

年収600万円超は上位約22.6%

年収400万円超から年収600万円超になると、上位約48.8%から上位約22.6%に入ることが分かりました。

また、月額換算した手取り金額は12万5000円~14万2000円程多くなるようです。住宅購入時や車の購入時の選択肢が広がるなど、ライフプランの設計がしやすくなるでしょう。

なお、価値観は人それぞれであり、年収以外の働きやすさややりがいを重視する人もいるでしょう。今回の結果は1つの参考としてください。

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告―

執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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