時間外手当なしの“定額働かせ放題”「先生の働き方」改善に国の諮問機関が提言 教職員組合「やりがい搾取にならないような制度を」

「先生の待遇を改善してほしい」。現場からの訴えに国の諮問機関が、13日、改善案を発表しました。
はたして働き方は改善されるのでしょうか。

朝の札幌市中心部です。マイクを握るのは、北海道教職員組合のメンバーたち。
学校の先生たちの過酷な勤務を改善してほしいと訴えています。

過酷な状況を示す一つが、時間外勤務の問題です。
先生たちには、時間外手当は支払われません。
法律に基づいて、代わりに給与に一定額を上乗せして支給されています。
これまでの上乗せ額は4%。どれだけ働いても、同じ額です。
「定額働かせ放題」と批判され、ブラックな職場だと言われるゆえんです。

北海道教職員組合 山谷一夫中央執行委員長
「今の問題は教職員のなり手不足だとか欠員補充であります。業務を減らしたり人を増やしたりしない限り、お金の問題ではない」

北教組の調べでは、公立学校の教員に定められた45時間の時間外の上限を超えた教員の割合は、小中学校で4割以上、中学校で6割を超えるなど長時間の残業が常態化しています。

どうすれば、先生を確保できるのか。
文部科学省の諮問機関である中央教育審議会は13日、給与への上乗せ分の割合をこれまでの4%から10%以上に引き上げることなどを盛り込んだ提言をまとめました。しかし、懸念も…。

北海道教職員組合 大野憲昭法政部長
「結局働かせ放題の枠組みなってしまうわけです。(上乗せ額が)10%に上がったんだから、残業して当たり前との風潮も生まれかねない」

お金ではなく、根本は人員の問題を解消することだと組合は強調します。

北海道教職員組合 大野憲昭法政部長
「やりがい搾取にならないような制度をきちんと整えることだと思う。そもそもの業務量を減らすために人を増やす、そこは大切になっていく」

子どもたちの教育の質を確保するには、まだ課題が多くありそうです。

北海道教職員組合の調べでは、公立学校の教員に定められた45時間の上限時間を超えた教員の割合は、小学校で4割以上、中学校で6割を超えています。
これでも、今のところは、どれだけ働いても上乗せ額は4%。人を補充してくれないと根本は改善されないと組合側は訴えています。

また、こうした時間外に次の授業の準備やテストの丸つけを行うことに時間がとられてしまい、どうやって授業を充実させようか、教材を研究する時間がないという状況もあるそうです。

先生が生徒としっかり向き合う時間が、優先順位として一番上に来て欲しいなと思います。
教育の質を保ったうえで、人材の不足の解決していかなければならないわけで、今回のことだけで、議論がおさまらないような気がします。

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