岡山は温かかった…シーガルズのバレーを信じて走り抜いた川島亜依美・宮下遥両選手が後輩に託す思い

バレーボール元日本代表で岡山シーガルズの象徴的な存在となった川島亜依美選手(34)と宮下遥選手(29)。5月、現役最後の大会で、見事チームを優勝に導き、有終の美を飾りました。2人の思いに迫ります。

(岡山シーガルズ 川島亜依美選手)
「皆さん温かかった。そういう思いがあったからこそ、最後まで走り抜けることができた」

(岡山シーガルズ 宮下遥選手)
「岡山に来て、たくさんの人に娘や孫のようにかわいがってもらった。すごく温かい場所でした」

「岡山は温かい」。そう口をそろえるのは2009年にシーガルズに入団した川島選手と宮下選手です。

川島選手は、リーグを代表するミドルブロッカーとして日本代表にも選ばれ、2019年からキャプテンとしてチームをけん引。意外にも入団前の高校生の頃は、控えの選手でした。

(川島亜依美選手)
「試合経験が無い中で、トップリーグの世界に入って、自分で今考えても信じられないというか、育ててくださった監督・チームのみんなに感謝しかありませんし、そういう中で戦えて本当に幸せだったなって思っています」

セッターの宮下選手は、2009年に史上最年少の15歳2カ月でVリーグデビュー。2016年には日本代表としてリオオリンピックに出場しました。

(宮下遥選手)
「中学生でこういうトップレベルの経験をさせてもらえたことにすごく感謝していますし、こういった縁が無ければ今は無かった。本当に運が良かったのかなと思います」

2人は、2020年のV1リーグ準優勝などに貢献してきましたが。

(宮下遥選手)
「Vリーグ含めて決勝の舞台を2度経験させてもらって、そこで勝ち切ることができず優勝まであと一歩っていう経験を何回かしてきた」

国内三大大会の優勝を目指すラストチャンス。黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会、女子決勝は川島選手と宮下選手にとって現役最後の試合となりました。

(宮下遥選手)
「みんなと一緒にプレーできる最後だったので、1プレー1プレーをかみしめながら」

(川島亜依美選手)
「今回の黒鷲旗で優勝を目指そうとチームで話していた」

会場の応援団は約400人。終始、試合を優位に進め、手にしたマッチポイント。宮下選手の最後のトスは長年、ともにプレーしてきた後輩に託しました。

(宮下遥選手)
「15年ぐらいの付き合いになるので、最後、金田が決めてくれたのも本当に心からうれしかった。プレゼントをもらえて良かったです」

シーガルズは、国内三大大会で初優勝を飾りました。2人が最後に手にした金メダル。現役を引退しますが、その思いは後輩たちに受け継がれます。

(川島亜依美選手)
「シーガルズのバレーを信じ抜いて自分のできることを最大限やり切る。そういう思いを後輩たちも持って1試合1試合全力で戦ってくれればと思います」

(宮下遥選手)
「必ず何か感じたものがあると思うので、それはチームの武器になるものだと思う。そこを信じて突き詰めていってほしい」

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