夢のアリーナ単独…アクスタの秘密とは? 20名が輝く少年忍者のステージレポ

全員が主役! パッション全開で少年忍者の初の単独アリーナ公演が実現


憧れだった夢のステージ。コーラスラインを飛び越え、メインで浴びる眩いスポットライトの光景…。彼らが何度も何度も、思い描いてきたアリーナ単独公演。少年忍者が掲げてきた目標がこの春、遂に叶った。

中央ステージの白い紗幕がハラリと落ちると、リフトアップステージの上に横一列に並んだ20人が登場。このズラリ揃った迫力の景色は、大所帯グループである彼らだからこそ見せられる壮大な光景だ。

1曲目は、ライブタイトルにもなっている少年忍者の代表曲「The Shining Star」。この曲は、光り輝く憧れの世界で、自分たちの可能性を信じて突き進もうとする少年忍者の決意表明でもある彼らにとって大切な曲。とにかくがむしゃらに前へ前へ進みたい…。アイドルとして誰よりも輝きを放ちたい、高みを目指したいという切なる想いがリアルにぎゅっと凝縮された歌詞に胸が締めつけられる。

白い衣裳にゴールドのジャケットを羽織ったメンバーたちは、誰もが溢れんばかりの笑顔。センターもいちばん端も、立ち位置関係なく、“全員が主役”。1人ずつがスクリーンにアップになるたび、この日を待ちわびていたと言わんばかりに何度も歓声が沸き、ペンライトが激しく揺れる会場。夢のステージの実現を願っていたのは、ファンも同じだ。



2曲目の「SEVEN COLORS」も仲間とゆるぎない夢へと走り出す曲。織山尚大さんが「ヤッホー、少年忍者です。今日は俺たちと楽しんで行きましょう!」、川﨑皇輝さんが「横浜アリーナ、少年忍者が来たぞ。まだまだそんなもんじゃないよな?」と会場に呼びかける。キラキラと輝く希望に満ち溢れた表情で届けると、曲のラストには彼らの未来を祝福するように美しい虹がかかっていた。

まだまだオリジナル曲も少ない彼らは、先輩の曲がセットリストの大半を占める。「絶対、勝つぞ~!」という雄叫びから始まったのは、Hey! Say! JUMPの「AinoArika」。現在活動休止中の内村颯太さんの想いも背負って歌う20人。元木湧さんの力強いラップや織山さんのどこにいても一目で居場所が分かる激しいダンスで忍者らしさをプラス。



オリジナル曲「太陽の笑顔」では、檜山光成さんは「横浜アリーナ、俺らと声出す準備できていますか?」でコール&レスポンス。黒田光輝さんは「横アリ、俺たちに会いたかったか? OK! 今から声を聴かせてくれ!」と“忍者コール”を繰り返し盛り上げていく。

元木さんは「横アリの皆さん、楽しむ準備はできていますか? 全然、聞こえないよ!」と元気なあおりを繰り返し、おなじみのあいさつ「元木~わくわく!」と会場と一緒に声を揃えてワクワクポーズ。盛り上げ担当の長瀬結星さんも「まだまだお客さん、盛り上がっていけますか?」。MCは皇輝さんがリードしつつ、曲の合間のコール&レスポンスのあおりや曲紹介では、それぞれ違うメンバーが担当してファンとコミュニケーションをとり、全員が活躍していた印象だ。



MCは、終始安定感ある仕切りで皇輝さんがリード。「念願だった横浜アリーナ単独ライブが昨日、幕を開けて…。あともう1回やりますけども、今日が最終日です。早いです。 こうやってさ、(会場)いっぱいに忍者のファンの方々が集まって下さって、めちゃくちゃ嬉しいよね。実感はどのタイミングで湧いた?」とメンバーの顔を見る皇輝さん。「僕たち、裏の(モニターで)お客さんが入ってくるところを見られるんで…」と檜山光成さんに皇輝さんは「もうあれを見るとソワソワする。わかるね」と同意しつつ、「緊張もやっぱ、なかなかすごかったですよ。『The Shining Star』のリフトで上にあがっていく瞬間もそうだし」と最初の登場を振り返る。

するとライブの織山さんと共に演出を担当した星輝さんは「まだまだ実感湧いてないからね。本当なんか夢みたいすぎて…」と自分たちが思い描いたステージの実現に胸がいっぱいの様子。「明日で終わりか」と名残り惜しそうな元木さんに同意しつつ、「初めての公演は、やっぱり最初で最後ですから、楽しんでいただけたら」(皇輝さん)と語っていた。




ライブタイトル『The Shining Star』のロゴデザインを手掛けたのは、青木滉平さん。「書いたんです! ロゴ。みんな、かわいい?」と会場に尋ねて、拍手をされると再び「あのロゴかわいい?」と呼びかけ、「かわいい!」という会場の大合唱に「気持ちいいー!(笑)」と叫ぶ微笑ましい姿も。オリジナルグッズのTシャツとトートバッグとペンライトトップのデザインも注目とアピール。

おすすめは、メンバー全員が横一列に繋がった『The Shining Star』状態の横幅45cmくらいのアクスタだという。「これ買ったよって人います? アクスタ」と確認する皇輝さん。そのアクスタを無邪気に振り回す深田竜生さん。

「トートバッグはですね。こだわりポイントは白」と青木さんが説明すると「じゃじゃーん」とトートを紹介する長瀬さん。「これね、おやすみ忍者くんって言います。お星さまのクッションに寝ていて、寝言を言ってるんですよ。ぜひね、何を言ってるかちょっと実際の手元で確認してみてください」と青木さんがグッズもアピール。グッズのトートにアクスタを入れるとはみ出すということで、長瀬さんは「雨の日は俺、バッグから出ちゃって濡れちゃう(笑)。カバーでもつけてくれると」と笑わせていた。



オリジナルグッズやうちわも初めてということで、自分たちの1人ひとりの顔のうちわが会場にあることを喜ぶメンバーたち。MCの最後には、「ひとつ発表します。夏のコンサート決まりました! 今年こそ皆様と素敵な夏休みを過ごすことができます。ということで、タイトル、場所、日程決まっております」(皇輝さん)と嬉しいサプライズ発表が…!

「PASSION!! ~忍 in the Summer 2024~」をTOKYO DOME CITY HALLで開催決定に喜びの声が溢れる会場。「僕たち初進出ですね。以前、配信ライブはやったことがある場所ですけども、今回は夏のライブ。夏の終わりごろですかね、8月16日からですので。ぜひ来ていただけたらなと思います。こちらタイトルを昨日、決めまして、僕たちが1番大切にしている情熱で忍者サマー。このタイトルを大切に夏のライブやっていけたらなと思っております」(皇輝さん)。



注目は、3ブロックに分かれて披露していたユニット曲。田村海琉さん、稲葉通陽さん、皇輝さん、檜山さん、星輝さんは、Hey! Say! JUMPのラブソング「DEAR MY LOVER」を。Vサインで決めたり、指でハートを描く檜山さん、ウインクする星輝さん。皇輝さんと星輝さんが背中合わせになって歌う場面も。王道アイドルのキラキラを完璧に魅せつけた5人。

先日、国立代々木競技場第一体育館で開催された「Rakuten GirlsAward 2024 SPRING/Summer」ではモデルとして華麗にランウェイを歩いたヴァサイェガ渉さんと深田さんは、ふたりでKinKi Kidsの「愛されるより 愛したい」を熱唱。忍者のビジュアル担当の深田さんとモデル体型のヴァサイェガさんのコンビが素肌に黒いジャケットを着て、スモークが立ち込める中、セクシーに、しなやかにダンス。会場の熱い視線を集めていた。

抜きんでた圧倒的なパフォーマンス力で少年忍者の中心メンバーとして活躍してきた織山さんと、現在18歳でまだまだ伸びしろが大きくこれからが楽しみな久保廉さんのコンビは、King & Princeの「Big Bang」を選曲。フードを目深にかぶってラップソングを掛け合う姿は、いつになくワイルド。力強く鋭い眼差しでダンスセンスを魅せつける姿に脱帽。



SixTONESの「Imitation Rain」を歌ったのは、安嶋秀生さん、豊田陸人さん、瀧陽次朗さん、青木さん、長瀬さん、山井飛翔さん。青木さんがピアノでメロディーを奏で、瀧さんがギター演奏をする中、透き通る白い布を持って幻想的にコンテンポラリーダンスを披露する安嶋さん。山井さんの美しいボーカルや赤い傘を持って楽曲の世界を盛り上げる豊田さんの姿も。

そして、TOKIO「雨傘」では、瀧さんのギター演奏で鈴木悠仁さんがしっとり情感たっぷりに歌い上げる。そのまま青木さんがピアノ演奏を担当し、二宮和也さんの「虹」を北川拓実さんがアカペラで歌うパートもありながら披露。それぞれの特技や持ち味を活かしたパフォーマンスで会場を魅了した。

ユニットのラストは、元木さん、黒田さん、小田さんによるSixTONESの「Outrageous」。怖いものなしの大胆不敵な生き様の男っぽい曲を歌う3人。シルバーっぽいパープルの髪にファーの衣裳が目立っていた元木さん、会場を激しくあおる姿が印象的だった小田さん。黒田さんは衣裳の白シャツをはだけさせ、セクシーに熱唱し、かけていたサングラスを絶妙なタイミングで外す姿も。少年忍者の楽曲とはまた違った世界観で無限の可能性を感じさせる選曲だった。



ラストスパートは、少年忍者の魅力でもあるパッションが全開に。King & Princeの「RING DING DONG」では深田さんや檜山さんのラップパートが激しく炸裂。Snow Manの「縁-YUÁN-縁-」では、運命の絆で結ばれる少年忍者のメンバーたちを象徴するかのような赤い紐が彼らを結びつける。そして、炎の特効が激しく上がる中、Kis-My-Ft2「PSYCHO」を。

すべてのパフォーマンスが大人数だから表現できるフォーメーションとダイナミックさが生まれる、そこが面白いのが少年忍者。どのパフォーマンスからも“自分を見つけて欲しい”という心の叫びが聞こえてくる。大所帯だからこそ生まれる、みんなに埋もれたくない、誰にも負けたくないという熱い野心。そして、個性溢れる1人ひとりでありながら、団結しようとするとてつもないパワー。メンバー全員のエネルギーとパッションがぶつかる瞬間、どのグループにも負けない“らしさ”と一体感が生まれる。



ラスト曲「The Shining Star」では、元木さんと深田さんが握手したり、久保さんと織山さんが肩を組んだり。メンバー同士の絆が感じられるやりとりもたくさん。一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に戦ってきた最高の仲間たちとこれから心躍るステージをたくさん作り上げられる可能性に秘めた彼ら。最後に皇輝さんが「これからも少年忍者をよろしくお願いします。まだまだ先に進みますので、ずっとついて来てください」とグループの前進を約束した。

少年忍者なら憧れだけで終わらない、夢のその先へきっとたどり着けるはずだ。

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