自民党の鈴木馨祐衆院議員が１２日に放送されたＮＨＫ「日曜討論」内で、官房機密費（内閣官房報償費）を「選挙目的で使うことはない」と断言したことで波紋が広がっている。
鈴木氏は政治資金規制法改正案に向けた同党の作業部会座長。同番組で「先ほど、官邸の機密費がどうかという話がありましたが、それは全面的に否定いたします。当然選挙目的、党目的で、官房機密費を使うことはありません。そこはまず、断言させていただきたいと思います」と根拠を示さずに述べた。
官房機密費をめぐっては５月１０日付の中国新聞が「国政選挙に機密費」と１面でスクープ。同記事では２０００年以降に官房長官を務めた同党政権幹部が、国政選挙の候補者に陣中見舞いとして現金を渡す際、「官房機密費から１００万円渡した」ことを報じた。
１３日に行われた林芳正官房長官の会見で鈴木氏の発言について問われると、林氏は「個別的な使途についてはお答えを一切差し控える」と述べるにとどめた。
一方、日本共産党の小池晃書記局長は国会内で開いた会見で「機密費の中でも、政策推進費、官房機密費の９７％を占めている。これは官房長官に支出された時点で、それで終わりです。金庫に入ったら官房長官が好きに使えるわけです。記録を残す必要もないというお金です」としたうえで「何に使ったかは官房長官しか知らないはずなので、（鈴木氏は）選挙活動に使っていないと、なんで断言できるのですかと。あなたは官房長官ですか、と言いたいです」と皮肉った。
