トヨタ、WRC第5戦ラリー・ポルトガルで17号車 オジエ/ランデ組が優勝

by 編集部:椿山和雄

2024年5月12日 発表

GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは5月12日(現地時間)、WRC(FIA世界ラリー選手権)第5戦ラリー・ポルトガルにおいて、「GR YARIS Rally1 HYBRID」17号車のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が優勝した。

優勝したオジエ選手は、総合2位のオィット・タナック選手(ヒョンデ)に7.9秒差でリードを守り切り、前戦クロアチア・ラリーに続く今シーズン2勝目を獲得。今シーズンは、開幕戦ラリー・モンテカルロでの総合2位を含め、出場した3戦すべてで表彰台に登壇した。

また、今回の優勝によって、オジエ選手のラリー・ポルトガルでの通算優勝回数は「6」となり、マルク・アレン選手の持つ5勝の最多勝利記録を超えて単独トップとなった。

オジエ選手は「このラリーでまた優勝することができて素晴らしい気分です。記録を更新できたことも嬉しいですし、この瞬間を楽しみ、大切にしなければなりません。すでに数年前にマルク・アレンの5勝という優勝記録には並んでいましたが、そのことに満足していなかったわけではありません。なぜなら彼は自分にとってレジェンドですし、とても尊敬していましたから。それでも、いつ記録を更新するのかと何度も聞かれ続けてきましたが、ついに実現しました。今回もみんなにとって激しい戦いになり、クルマの中でリラックスできる瞬間はありませんでした。100%のフィーリングが得られない時は最大限のリスクを冒すことなく、それでも常に優勝争いに加わることができていました。自分たちのマネージメントは、パーフェクトに近かったと自負しています」とコメントしている。

そのほかTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamでは、33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は総合6位、18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は総合29位、69号車のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は総合31位でそれぞれ完走した。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン組)
18号車(勝田貴元、アーロン・ジョンストン組)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン組)

ラリー・ポルトガルの結果(現地時間5月12日16時30分時点のリザルト)

1位:セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ)
2位:オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ)
3位:ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ)
4位:アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード)
5位:ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ)
6位:エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ)
7位:ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シトロエン)
8位:ヤン・ソランス/ロドリゴ・サンフアン (トヨタ)
9位:ジョシュア・マッカーリーン/ジェームズ・フルトン (シュコダ)
10位:ラウリ・ヨーナ/ヤンニ・フッシ (シュコダ)

表彰式

第5戦終了時点でのドライバー選手権順位については、首位のティエリー・ヌービル選手の110ポイント、2位にエルフィン・エバンス選手の86ポイント、3位にオィット・タナック選手の79ポイント。

第5戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位は、首位はHyundai Shell Mobis World Rally Teamの219ポイント、2位はTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの215ポイント、3位はM-Sport Ford World Rally Teamの96ポイントとなっている。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長 豊田章男氏のコメント全文

オジエ選手の優勝に、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長の豊田章男氏がコメントを発表した。以下は、その全文となる。

セブ、ヴァンサン、2連勝おめでとう!

ポルトガルのどんなに厳しいグラベルでも、セブは終始落ち着いた走りを見せてくれました。痺れるような接戦が続いていても、サービスに戻ってきたセブは、ファンに笑顔で応えてくれていました。なにかトラブルが起きても、エンジニアたちに落ち着いて状況を伝え、クルマをまたコースに戻していってくれました。そして、誰よりも速いタイムでゴールに帰ってきてくれる。そんな”真のプロ”の仕事をしてくれるドライバーがチームにいてくれることを本当にありがたく思います。セブ、今回も、ありがとう。

ラリーポルトガルでは、他にも”悔しかったこと”と、”嬉しかったこと”がひとつずつありました。悔しかったのは、他の3台が無事には走りきれなかったこと。昨年も優勝はできたものの、他の2台は走りきれませんでした。今年こそは”全車がトラブルなく走り切る”ことを目標としていましたが、悔しい結果となってしまいました。そんな中でも嬉しかったことは「どんなトラブルが起きても、チームが以前より落ち着いていた」と私の耳に伝わってきたことです。今回も様々なトラブルが起きましたが、みんなは常に冷静でいることに努め、解決方法を見出そうとしていたそうです。チームの成長を感じられることを本当に嬉しく感じます。

メンバーひとりひとりが強くなることでチームは強くなっていきます。チームが強くなることで、GR YARIS Rally1 HYBRIDは”もっといいクルマ”になっていきます。そして、GR YARIS Rally1 HYBRIDが”もっといいクルマ”になれば、他のトヨタのクルマも”もっといいクルマ”になっていきます。

今シーズン、まだまだ厳しい戦いが続きますが、チームのみんなと成長を続けていければと思います。

追伸:スコットへ
忘れ物には気をつけましょう! 笑
でもバックアップは素晴らしかったね。

追伸:エルフィンへ
私のコ・ドライバーも忘れ物が多いから気持ちはわかるよ!
僕たちドライバーももっとコ・ドライバーをサポートしていこう! 笑

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