ドラマ「VIVANT」ロケ地が交流拠点に! 6月にカフェや本屋開設 島根県松江市 玉湯の旧大谷小と幼稚園

旧大谷小学校の校舎=松江市玉湯町大谷

 2021年に閉校・閉園となった松江市玉湯町大谷の旧大谷小学校と隣接する旧大谷幼稚園が交流拠点に生まれ変わる。市から建物を譲り受けた一般社団法人「大谷ひはやの杜」(戸谷淳代表理事)が幼稚園舎を改築し、6月にカフェをオープン。木造の風合いを生かして本屋や物販スペースも設け、近くの玉造温泉を訪れる観光客をはじめ、地区内外から人を呼び込みたい考えだ。

 1936年建築の小学校舎は木造2階建ての延べ床面積871平方メートル、隣接する園舎は60年完成で木造平屋の同112平方メートル。昨年放送されたドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」のロケ地になり、注目を集めた。地元住民が閉校後も随時イベントを開いて活用を模索する中、市は今年2月に大谷ひはやの杜に二つの建物を譲渡した。

 園舎改築は法人のメンバーが手弁当で進める。木造の壁や床など建物の雰囲気を生かしつつ、遊戯室だった部屋にオープンスタイルのキッチンを設置。地区内で営業する飲食事業者がテナントで入り、地元産の野菜にこだわったランチやコーヒーを提供する。法人はテナントの家賃収入を運営費に充てる。

 校舎部分は事務所棟として活用し、戸谷代表理事(53)が経営するまきストーブ販売の会社や、住民団体が入る。校舎と園舎の間にある中庭は「TERACCE OODANI(テラス オオダニ)」と名付け、コミュニティースペースとしてイベントで使う。

 大谷小学校卒業生の戸谷代表理事は「学校がなくなり、地域内の『音』が減ってさみしい思いだった。地区内のシンボルとなっているだけに、地区内外の人が集うにぎやかな場所にしたい」と話した。

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