財政状況で子育て支援策に格差 神奈川知事「都が悪いとは言ってない」 小池知事反論で強調

黒岩祐治知事

 東京都との財政状況の違いで子育て支援策に格差が生じているとして神奈川、埼玉、千葉の3県知事が国に是正を要望したことを巡り、黒岩祐治知事は13日の定例会見で、小池百合子都知事が「事実誤認」などと反論したことについて「都が悪いと言っているのではない」と改めて強調した。「住んでいる場所で格差があるのはおかしい。国が一律に対応すべきだと求めていく」と訴えた。

 都が独自に都内在住の生徒を対象に本年度から高校授業料を実質無償化したことなどを受け、3県知事は居住する地域にとらわれない子ども施策の実現を国に求めている。

 こうした動きに対し、都知事は10日の会見で「行政サービスの格差が財政状況の違いに起因するというのは明らかな事実誤認」と反論。3県知事が都の経常収支比率が「全国で最も低く、自由に使える財源が潤沢」と指摘した点を挙げ「都が行う道路や港湾整備の経費などが加味されていない。都の財源が潤沢との指摘はファクト(事実)ではない」と語気を強めた。

 さらに「行政サービスの違いは地域ごとのプライオリティー(優先順位)の問題。財政問題にすり替えるのは自治の観点からどうか」と疑問を呈した。一方で、3県知事が国の責任と財源で子ども施策の充実に取り組むよう国に求めたことには賛意を示した。

 黒岩知事は「都と3県の間に明らかな差が生じている現実を知ってもらうことが大事。3県で連携して国にアピールし、変革の流れをつくりたい」と述べた。

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