宇都宮で水防訓練 鬼怒川の氾濫注意水位超えを想定 消防団員ら370人が実践

土のう積みを行う消防団員

 【宇都宮】出水期を迎え、市は11日、道場宿町の鬼怒川左岸にある道場宿緑地公園で水防訓練を行った。市消防局や市消防団員ら約370人が本番さながらの越水防止の土のう積みなどを実践した。

 開会式で、水防本部長である佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「近年、災害は激甚化しつつあり、訓練は水害を軽減化するために意義がある」とあいさつした。訓練は、大型台風の接近で鬼怒川が氾濫注意水位を超える恐れがあると想定。市消防局が3機のドローンを飛ばし、空中から状況を把握した。

 会場の鬼怒川堤防では、黄色いライフジャケットをまとった消防団員による土のう積みや木流し、シート張り、月の輪など堤防の越水、亀裂などを防ぐ工法を実施した。市消防団と市消防署の救助隊によるボートや水陸両用バギーを使っての水難救助訓練も行われた。

 市消防団の田中優一(たなかゆういち)副団長(61)は「地域密着の消防団として、きびきびと良い訓練ができた」と話した。

© 株式会社下野新聞社