米、ガザ「大量虐殺」と見なさず ラファ侵攻は誤り=サリバン補佐官

Trevor Hunnicutt Jeff Mason

[ワシントン 13日 ロイター] - 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘によるパレスチナ人の犠牲について、米政権はジェノサイド(大量虐殺)と見なしていないと述べた。

サリバン氏はホワイトハウスで記者団に対し、米国はハマスの敗北を望んでいるとしながらも、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファでイスラエルが大規模な軍事作戦を行うことは誤りだと述べた。同時に「われわれはガザで起きていることを大量虐殺と見なしていない。そのような主張を断固として否定してきた」と語った。

その上で、ハマスが人質を解放すれば戦闘休止が実現する可能性があると述べ、バイデン大統領が11日に示した考えを改めて表明。世界はハマスに合意を受け入れるよう呼びかけなければならないと述べた。米国は戦闘休止と人質解放の実現に向け取り組んでいるとしながらも、合意は成立するのか予測できないと語った。

サリバン氏は、ガザ北部のエレツ検問所に向かっていた人道支援物資を運ぶトラックの車列をイスラエル入植者が攻撃したとの報告について、「全く受け入れられない行為」として懸念を表明した。こうした事件が起きるのは、過去約1週間で2回目。

また、バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相の対応に影響を及ぼそうとしているが、イスラエルは自ら決定を下す主権国家だと指摘。「ネタニヤフ首相は米国ではなく、イスラエル国民に対し責任を負っている」と語った。

ガザ保健当局によると、昨年10月7日以降のイスラエル軍によるガザ攻撃で3万5000人を超えるパレスチナ人が死亡した。

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