人気俳優らも心酔する“ラスト陰陽師”橋本京明氏を部下が告発!「虚偽申告で脱税」「占いは素人まかせ」、直撃の回答は?

話が二転三転する場面もあった直撃時の橋本氏。本誌記者に2時間近く主張を繰り返した(写真・保坂駱駝)

「人気俳優の方も相談に来ていましたし、特に音楽家の織田哲郎さんとはプライベートでも親しくしていました。

そういった方々が、いとも簡単に“先生”の言葉を信じてしまうのが驚きでした。先生は鑑定が終わると『今日もたまたま当たっちゃった』と、オフィスで話していたんですから……」

こう話すのは、占い師の橋本京明(はしもと・きょうめい)氏のオフィスで働いていたAさんだ。

有名人も足繁く通う橋本氏とは、どのような占い師なのか。女性週刊誌記者が、こう説明する。

「霊視能力を使う『ラスト陰陽師』を自称し、人気を博しています。YouTuberとしても登録者数は60万人を超え、最近では『羽生結弦は28歳で結婚』という2016年の予言が的中したことで話題になりました。

芸能界にもファンが多く、俳優の原田龍二さんは霊能力の向上を相談したり、お笑いコンビのラランドも毎年、自分たちのラジオ番組にゲストで呼んで運勢診断してもらうほど心酔しています」

もともと派遣会社を通じて働き始めたAさんは、橋本氏に打診され2021年12月から直接、事務職で雇用された。

しかし、その直後から業務内容、出勤日数などを一方的に変更され、一人で雑務をすべて担当させられる過重労働状態になったという。

橋本氏からのパワハラにも耐えかねて、Aさんは2024年3月に心療内科に通院したところ、仕事が原因の「うつ病」と診断された。医師から静養をすすめられたAさんは退職届を提出。すると、橋本氏はLINEで事実上の“解雇通知”を送ってきたという。

「家族旅行の手配や結婚式の衣装探しなど、完全な私用の雑務も多くありました。

しかし、いちばん驚いたのは“架空領収書”の存在です。橋本氏は『陰陽師にかかわる古書は値段があってないものだ』と言って、『本代』の名目で数百万円単位の取引実態のない領収書を知人に作成させ、税理士に提出していたんです。

後から知りましたが、領収書の発行者は適当で、オフィスにあった古書を指定され、橋本氏から『この領収書はこの本にしよう』という辻褄合わせもありました。知人の筆跡をなぞるよう指示して、私に架空領収書を作成させたこともありました。

私が記録しているだけでも、8000万円分以上の架空領収書が提出されています」(Aさん)

Aさんが保管していた領収書の画像をもとに、本誌は支払先の大阪府内の住所を訪ねたが、いずれもその住所に該当人物は住んでいなかった。

「こうした業務やパワハラに耐えて仕事を続けてきたのに、橋本氏はいっさい謝罪せず、挙げ句の果てには『解雇だ』と言う始末です。そこで私は、4月17日に東京国税局の資料調査課に橋本氏の脱税行為を告発しました」(同前)

資料調査課は“料調(りょうちょう)”とも呼ばれる国税局の任意調査のエリート部隊である。橋本氏の指示の違法性を、磯貝慎一郎税理士はこう解説する。

「過少申告になり、法人税法違反と消費税法違反にあたる脱税行為です。重加算税を課せられますし、ごまかした経費が5000万円を超えるならば、逮捕の可能性もあります」

そして、“税逃れ”が橋本氏の生活を豊かにしたのは間違いない。もともと福島県に住んでいた彼は、いまや都内で白色のベンツを乗りまわし、新宿のタワーマンションの高層階に自宅を構えている。

「4万円以上からおこなっている個人鑑定でも、2021年9月から鑑定料をいっさい得ていないかのように橋本氏が売上記録を改ざんし、税理士に渡すように指示をされていました。

私が把握している顧客の予約記録と照らし合わせると、3年半で約2500万円が未計上になっています。

それに加えて、『霊能捜査』といった特別な仕事では、さらに高額な報酬を受け取っていました。『京明塾』と題した講座コースで1人50万円ほど、暖簾分けを目指す陰陽師養成コースでは1人500万円~750万円を徴収していました」(Aさん)

そんな橋本氏と繋がりが強いテレビ番組が、夕方の情報番組『よじごじDays』(テレビ東京系)だ。

毎日放送される「誕生月別 明日の運勢」と題した占いコーナーを橋本氏が監修しており、2024年1月に彼自身も同番組に出演した。

「じつは橋本氏は占いコーナーに、完全にノータッチなんです。占い師ではない素人のスタッフが、占いの原稿をゼロから作成し、それをそのまま私が番組担当者に送っていました。途中で原稿作成者が変わりましたが、橋本氏が占いに関与していないのは変わりありません」(Aさん)

1年以上の間、原稿を担当していたスタッフに、本誌が事実確認をすると「詳しくお話しできませんが、先生抜きで占いを考えていたのは事実です」と、原稿作成を認めた。

橋本氏は告発をどのように受け止めるのか。

5月9日、自宅から白色のベンツで出てきた彼を直撃すると、

「架空領収書はAさんが勝手に作ったもので、税理士に提出していない。『よじごじDays』の占いも基盤は僕が作って、内容確認していた」

と言う。

架空領収書について「担当の税理士法人にも聞いてください」と話した橋本氏だったが、本誌が税理士法人に取材依頼をしてもいっさい返答がなかった。

あらためて橋本氏をマネジメントする芸能事務所に事実確認をすると

「弊社とのエージェント契約外のことであるため、回答できません。『よじごじDays』の占いは本人がおこなっているものと思っております」

との回答だった。

一方『よじごじDays』を放送するテレビ東京は、本誌の取材に対して「事実とすれば遺憾です。詳細な事実関係がわかるまで、コーナーはお休みします」と回答し、5月10日放送から突如、橋本氏の占いコーナーは休止された。

橋本氏は自身のプロフィールで、こう綴っている。

「かつて陰陽師は国政の重要な役割を担っていました」

そんな人物が「国民の義務」から逃れる“謀反”をしているとは――。

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