音楽で日本動かす中心に 世界的ピアニスト反田恭平さんが「奈良県文化会館芸術監督」就任 奈良県とJNOが連携・協力で覚書

県文化会館リニューアル完成後のイメージ図(県提供)

 奈良県は13日、改修整備を進めている県文化会館(奈良市登大路町)の活用促進のため、世界的なピアニスト反田恭平さんが社長を務めるJNO(Japan National Orchestra)と連携・協力事項に関する覚書を締結した。合わせて、反田さんが初代の「県文化会館芸術監督」に就任したことを発表した。

 覚書は2022年2月28日締結の「文化活動の振興に関する連携協定」に基づき、整備後の県文化会館の魅力向上▷音楽活動▷人材育成▷広報活動に関すること―などについて連携・協力し、反田さんが文化会館の整備、運営に関し監督的立場で助言していくという内容を明記。これまで以上に相互連携を取り、海外活動経験豊富な音楽家目線を取り入れたユニークな多目的ホールを目指す。また、完成後はJNOが拠点を置き、音楽によって人と社会をつなぐ場所の実現を図りたいとしている。

 県庁で行われた締結式には山下真知事、JNOの川島昭彦会長が出席。

 川島会長は「利便性や環境が素晴らしい場所で積極的に活動を行って奈良の文化に貢献していけたら。人材育成にも力を入れ、音楽家を目指す若い世代が学べる町になれば」と述べた。

 山下知事は「JNOに拠点として演奏いただき、国内外の音楽家にPRできるホールにしたい。反田さんにも意見をお願いしている」と期待を寄せた。

 反田さんはビデオメッセージで、「芸術監督就任はとても名誉なこと。奈良を中心に日本を動かせるような音楽ホールにしたい。アコースティックに力を入れたホールになると思う」とコメントした。

 同文化会館は、2024年3月から改修工事に入っており、27年度中の工事完成を予定している。

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