竹中工務店ら/動く無人コンビニを万博工事で試験導入、現場の働き方改革を後押し

コンビニで初となる移動型無人トレーラー店舗が13日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場(大阪市此花区夢洲)の工事現場内にオープンした。竹中工務店らが開発した店舗でファミリーマートの運営で試験的に導入。弁当や飲料水など約280種類の商品を取りそろえ、現場で働く建設技能者などに販売サービスを提供する。より快適に働ける現場環境の創出を通じて技能者の不要な移動時間の削減につなげ、下請企業の働き方改革を後押しする。
店舗トレーラーは竹中工務店が開発した移動式の工事事務所「牽引(けんいん)式オフグリッド型モバイルハウス」がベース。日立ハイテクやオリジナルトレーラーの製造販売などを手掛けるクロコアートファクトリー(徳田吉泰社長、相模原市緑区)と連携し「環境配慮型スマート店舗トレーラー」として実用化を進めている。
駆動装置により自立移動が可能。太陽光パネルと蓄電池、制御機器で構成する自立電源システムを搭載するなど、脱炭素型循環社会の実現にも対応する。大阪・関西万博のコンセプト「未来社会の実験場」を工事段階から実践する取り組みに位置付けている。当面は竹中工務店が施工している「大阪ヘルスケアパビリオン」前に置き営業を行う。
同社経営企画室新規事業推進グループの廣里成隆シニアチーフエキスパートは「職人の労働環境の向上が最大の目的」とし、試験導入で効果を検証した上で万博以外の現場への展開も視野に入れる。オープン直後に店舗を訪れたとび職人(20代男性)は「往復20分ほどかかっていた移動時間が不要になる。商品数も多く昼休憩が楽しくなる」と喜んでいた。

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