23年度土木学会賞決定/功績賞に茅野正恭氏や佐藤直良氏ら、6月14日表彰式

土木学会(田中茂義会長)は13日、2023年度の土木学会賞を発表した。功績賞や技術賞など20部門で計112件を選定した。表彰式は6月14日に東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで開く。=12面に詳しく
土木工学の進歩や土木事業の発達、学会活動の運営に多大な貢献があった会員に贈る功績賞には▽井合進(京都大学名誉教授、FLIPコンソーシアム理事長)▽梅原秀哲(中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋テクニカルアドバイザー)▽粕谷太郎(地下空間利・活用研究所所長)▽茅野正恭(鹿島常任顧問)▽河原能久(広島大学防災・減災研究センター学術顧問)▽楠見晴重(関西大学特命教授・関西大学名誉教授)▽佐藤直良(雨水貯留浸透技術協会会長)▽中島章典(HRC研究所技術顧問、宇都宮大学名誉教授)▽山縣宣彦(港湾空港総合技術センター理事長)▽吉田望(関東学院大学工学総合研究所所員)-の10氏を選んだ。
井合氏は地震時の地盤の液状化といった地盤・構造物系の数値解析法の研究で功績を上げた。梅原氏はコンクリート構造物の地盤条件などを考慮した解析手法の確立に尽力。粕谷氏は「地下空間研究委員会」の発足に尽力し学術進歩に貢献した。
茅野氏は将来の担い手不足を予見しICTなどを活用した新技術の開発を進め、土木工学の発展に寄与した。河原氏は河道の洪水時の流れの特性を実験と3D数値解析の両面から明らかにした。楠見氏は岩盤不連続面のせん断挙動に関する構成式を確立するなど、国内外で高く評価された。
佐藤氏は河川行政を中心に多様な発注方式の採用などを推進し、東日本大震災では技術官僚トップとして対応に当たった。中島氏は鋼構造の耐震性や動的挙動などで設計・維持管理に示唆的な研究を展開した。
山縣氏は国際コンテナ戦略港湾施策の推進による日本の港湾の国際競争力強化など港湾行政の幅広い分野で貢献した。吉田氏は地震時応答や液状化に伴う永久変位の予測の高精度化に貢献した。

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