社会人2年目で「手取り18万円」です。金銭的に余裕がないため、祖父の葬儀の「香典」を両親との連名で出したいです。家族ですし問題ないでしょうか…?

経済的に自立している場合は個人で用意したほうがよい

連名で香典を用意してもよいか否かは、子どもに収入があるかないかで扱いが異なります。

成人していても学生のように収入がない、または失業中で収入がない場合は、親の名前で香典を出しても問題ありません。しかし、すでに収入を得ている場合は、両親とは別に香典を用意するのが一般的です。

ちなみに、2023年に行われた厚生労働省の調査によると20~24歳の平均月収は約22万円で、手取りに換算すると約18万円になります。同年代の平均程度に稼げていれば、十分経済的に自立しているといえるでしょう。

香典の相場

香典の相場は、亡くなった人との関係が近いほど高額になるのが一般的です。また、香典を用意する側の年齢によっても費用相場は変化します。20代の社会人が祖父の葬式に参列する場合、香典として5000円~1万円程度を包めば問題ないでしょう。

注意点として、香典を包むときは奇数の金額を包むようにしてください。偶数のように割り切れる数字は、故人との縁が切れてしまうことを連想させます。また、奇数でも「9」は「苦」を連想させるため、こちらも避けておきましょう。

香典を用意する際のマナー

香典を用意するにあたって、いくつか知っておきたいマナーが存在します。相手に不快感を与えないためにも、あらかじめ以下のポイントを押さえておきましょう。

香典袋は薄墨で書く

香典袋に記名をする際は、薄墨を使用しましょう。薄墨は、悲しみの涙で文字が滲んでしまったことを表現します。薄墨が用意できない場合は、文具店やコンビニで販売されている薄墨の筆ペン・サインペンを使用しても問題ありません。

ちなみに、表袋への記載にボールペンや鉛筆、万年筆を使用するのはマナー違反になりますが、中袋は薄墨ではなく、普通の黒いインクで書いても問題ありません。

お札は向きを揃えて入れる

香典袋に複数枚お札を入れる場合は、向きを揃えて入れましょう。

香典の中袋を裏にして開けた際、お札の表が上にくるように入れるのが一般的です。お札は人物が描いてあるほうが表、人物が見えない面が裏になります。中袋へは肖像画が下になるように入れます。

新札は使用しない

香典を用意する際、新札ではなく古札を使用してください。結婚式と異なり、香典に新札を使用すると、故人の死を予想していたと思われてしまいます。

ただし、擦り切れた古札はかえって失礼になるため、ある程度、綺麗な古札を用意しましょう。手元に新札しかない場合は、お札の真ん中に折り目を入れて使用すれば問題ありません。

香典を渡すのは受付を終えた後

香典は、受付を終えてから渡しましょう。受付で芳名帳に名前や住所を記入し、その後香典を渡します。受付がない小規模の会場の場合は遺族に直接渡すか、会場のスタッフや世話係に預けましょう。

収入がある場合は、自分で香典を用意するのが無難

亡くなった祖父に社会人として自立していることを示すためにも、収入があるのなら香典は両親との連名ではなく、個別に用意したほうがよいでしょう。ただし、収入があっても経済的に苦しい状況の場合は、無理に香典を用意する必要はありません。

どうすればよいか判断に迷ったときは、両親や葬儀に参加する同年代の親戚などに相談することをおすすめします。

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社