大谷「大事を取って」欠場の裏に“二刀流の10年計画” 投打フル回転でボロボロの昨季が反省材料

大谷翔平(C)共同通信社

「僕は出られるかなという感じでしたけど、大事を取ってです」

腰の張りで日本時間13日のパドレス戦を欠場した大谷翔平(29=ドジャース)はこう言った。

そもそも毎日、試合に出てプレーするのが当たり前と考える選手だ。昨年までなら自分がやれると思えば、首脳陣の反対を押し切ってでも試合に出ていた。が、今回は違う。自分は出られると思うが、大事を取るべきという球団の判断に従ったのだ。

複数の米メディアは大谷をコントロールできなかったエンゼルスと、制御しているドジャースの違いを指摘していたものの、球団というより、本人の考え方、スタンスの大きな変化ではないか。

大谷がドジャースと10年1000億円超で契約した直後、本人と極めて距離の近い人はこう言って危惧したという。

「二刀流を10年もやれるのか……」

金額はともかく、二刀流選手として10年契約を結んだことを心配したのだ。

大谷はしかし、投打の二刀流の負担が大きいことを自覚しながら、本気で10年、二刀流を続けたいと考えている。昨年暮れのNHKのインタビューでこう言っている。

「一番は10年を必ず続けることが目標。誰もそれだけ長く2つやるのはいままでないので、どういうふうになっていくかは、はっきり言えることではないが、もちろん全力を尽くすのは言える」

人のやっていないことにチャレンジしてきた大谷らしいコメントではある。そして、こう続けた。

「バッターとしては、肘はあまり関係ないので、膝であったり、腰であったり、ほかにもっと負担のかかってくる場所がある。そこをまずケアしながら、どの程度できるのか。そこをしっかりクリアしていくためのプランを、球団の人とも一緒に、ドクターも一緒に考えながらつくっていくということ」

投打にフル回転した結果、けいれん、2度目の右肘手術、右脇腹痛とボロボロになった昨年の経験がクスリになったのだろう。

ドジャースと大規模な長期契約を結んだだけに、それなりの責任も伴うわけで、何より二刀流を10年続けることを優先するようになった。そのためには目先の試合で無理をするわけにいかない、球団や医師の判断も重視するということだ。

本人はもう一度、右肘を手術しなければならなくなったら二刀流を断念することも示唆しているほど。二刀流を10年続けることが最大目標だけに、それだけ体調にはナーバスにならざるを得ないのだ。

◇ ◇ ◇

そんな大谷が元通訳・水原一平被告に盗まれた26億円超はもはや回収不能で、泣き寝入りするしかないと見られている。

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