全国高校総体(インターハイ)が日田で開催されるバレーボール男子。その県予選となる県高校総体の組み合わせが決まった。今回はシード権を獲得した4校を紹介する。第1回は5年ぶりの優勝を目指す別府鶴見丘だ。
ここ数年は大分南、大分工業に次ぐ3番手が定位置となった、かつての王者・別府鶴見丘。悔しさをバネにひたむきに積み重ねた努力は少しずつ形となっており、4月の全九州バレーボール総合選手権大会県予選(九総予選)の準決勝では、優勝した大分南相手に接戦に持ち込むなど、その差を着実に縮めている。
九総予選終了後、選手一人一人の今の適正を見極め、ほぼ全てのポジションを入れ変えるなどチームづくりに注力してきた。中核を担うのは3年生の3人。ディフェンスの要であるキャプテンの上田透絆、1年時からチームの屋台骨を支えてきたセッターの遠々内慎、得点源としての活躍が期待される山川昊輝。舞裕太監督は「上田が拾って、遠々内が上げ、山川が打つ。これが必勝パターンになる。キーを握るのは山川。大会までにどれだけ成長できるか。それが勝敗を握るといっても過言ではない」と語る。次期エースとしての自覚が芽生え始めた佐藤亮介、成長著しいミドルブロッカーの一宮斗真など2年生にも期待の戦力がそろい、チームは完成形に近づきつつある。
目標が「大分県で一番ボールをつなげるチーム」であることは変わらない。現在はティグやレセプション、ブロックフォローなどつなぎのプレーを重点的に鍛え、チーム力の底上げを行っている。選手たちのモチベーションも高い。上田が「自分が高校1年の頃から見てきた中で、今が一番メンバーの心が一つになっていると感じる」と話すように、練習中もキャプテンシーあふれる上田を中心に、声を出し、お互いを鼓舞する姿が印象的。大会に向けての熱や気迫が伝わってくる。
県高校総体で目指すのは言うまでもなく優勝。「選手には、今いるメンバーで最善を尽くすしかないと話している。(九総予選の)経験を油断ではなく、自信につなげ、確実な勝利をつかみたい」と呼びかける舞監督の言葉にも、いつも以上に熱がこもっていた。静かな闘志を燃やす別府鶴見丘が王者奪還を狙う。
(甲斐理恵)