岩城滉一、大腿骨を折っていたことを明かす…宮崎美子と〈夫婦〉の温かい掛け合いにほっこり

(C)2023『ラストターン』製作委員会

俳優の岩城滉一さんが5月11日、東京都内で行われた映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』(久万真路監督)公開舞台あいさつに登場。自身が演じた、定年後の余生を静かに暮らす71歳の福山健二について語りました。

岩城滉一、大腿骨を折ったことを明かす

本作が26年ぶりの映画主演作となる岩城さん。「26年も経ってるの? もう朝飯何食べたから覚えてないから(笑)」と笑いを誘いつつ、「健二という役は、年なりの、無理せずにできる役でした。白髪のままでも良いですし。ちょうど大腿骨を折っちゃって脚が不自由だったんです。だから、劇中でもハシゴから落っこちて怪我したことにしよう、と急に台本を変えてくださって。それもあって、最近運動靴しか履かなくなりました」と明かしました。続けて「年齢は誰にでも待ったなしで来るからね。健二の生き方を見て、こういう生き方も良いなと感じてもらいたいですね」と呼びかけました。

認知症を患い、健二を残してなくなってしまう妻・佳代を演じた宮崎美子さんは「佳代は認知症を患って先に亡くなるんですが、デイケアの施設に見学に行って実際に患者さんとお会いして、演技の参考にさせていただきました。これもまた一つの老いの姿なので、私もそういう年齢に差し掛かったかな、という、節目の映画になりました」と振り返り、「仲の良い夫婦でしたよね」と岩城さんに声を掛けると、岩城さんは「たくさん会話をするというよりかは、『花が綺麗だね』とか、一緒に見るものを二人で感じ合うような場面が多かったね」と回想。宮崎さんは「佳代は分かっていないのかもしれないけれども、私も演じていてとっても幸せな時間でした。良い夫婦だな〜って」と、“夫婦”の温かい掛け合いを披露した。

初共演の岩城滉一と田山涼成「俺らダチ公だよね」

また、健二とコミュニティクラブで出会い、健二を外の世界に引っ張っていく陽気な友人・橋本を演じ、岩城さんとは初共演という田山涼成さんは「なんと、私の妻が岩城さんと同じ誕生日なのです。それを知った時にすごくご縁を感じました。ですが、岩城さんは最初怖いイメージがありまして(笑)どうお話しよう……と思っていたのですが、岩城さんもおしゃべりが好きで! 本当に和んじゃって。撮影中、岩城さんに『田山さんとはダチ公だ!!』と言ってくださったんです。大変喜んだ次第でございます」と微笑ましいエピソードを明かすと、岩城さんは「田山さんと始めに会った時は、感じ悪いおやじだなと思ったのよ(笑)それが、話を聞いたら本当に真面目で、本当に良い方なんです。今日も舞台挨拶の前に、『俺らダチ公だよね』と確認し合ったんですよ」とまるで劇中さながらの関係性の2人のエピソードに会場はほっこり。

本作の構想のきっかけについて、久万監督は「僕ももうすぐ還暦に近いのですが、これから生きていく上で、憧れるお年寄りのモデルケースが少ない気がしていて。長く生きていく中で、輝けるお年寄りの方の姿を僕らの目標として描ければ良いなと思って作りました。岩城さんもものすごくアクティブですが、まさしく岩城さんのような方が増える世の中になったら嬉しいなと思っています」と明かしました。

最後に岩城さんは「夫婦仲が良いところを見ていただけたらそれで十分です。あとは、何か一つお土産に、“こういうふうに生きていきたい”と指針に思ってくれたら本当に嬉しいし、素敵ですね」と締めくくり、舞台あいさつは和やかなムードで終わりました。

舞台あいさつには、健二が通う水泳教室の講師・香里役の高月彩良さんも登壇しました。映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』は公開中。

映画『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』ストーリー

定年退職し、認知症だった愛妻も看取り、ひとり静かに暮らす福山健二。最近物忘れに不安を覚えめた健二は、残りの人生を、息子家族にも誰にも迷惑かけずに過ごすため、健康維持を意識する。その一つとして、市のコミュニティクラブに参加した健二は、同年代の橋本と出会い、さまざまな場所に出かけ、友好を深めていく。ある日、橋本は水泳教室に健二を誘う。全く泳げない健二は躊躇するのだが、橋本の「出来ない事を出来るようになるのは愉快じゃないですか?」という言葉に後押しされ、参加を決める。その教室には、夢破れ、若くして「残りの日々」を過ごす、香里がコーチとして勤めていた。水泳を大切な「挑戦」であり「目標」だと考えはじめた健二に、次第に変化が訪れーー。

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