響けトランペット100人 新緑の竜神大吊橋で合奏 茨城・常陸太田

竜神大吊橋の上でトランペットの音色を響かせる奏者ら=常陸太田市天下野町

茨城県常陸太田市天下野町の竜神大吊橋で12日、音楽イベント「100人のトランペット@竜神峡鯉のぼりまつり」が行われた。公募を通して県内外から集まった世代も経験も違うトランペット奏者約100人が、それぞれの思いと息を合わせ、明るく力強い音色を新緑の峡谷に響かせた。

同市の市制施行70周年と合併20周年記念事業の一環で、市民交流センター(同市中城町、飯村修一館長)が企画。同県水戸市出身のトランペット奏者、班目加奈さんが指導した。

この日、演奏者は、歩行者専用のつり橋として日本最大級の同大吊橋の上に、勢ぞろい。横1列に並び、遠い位置のパート同士が音を聞き取りにくい困難を抱えながら、大吊橋から数十メートル離れた場所の班目さんの指揮に合わせ大合奏した。

曲目は「凱旋(がいせん)行進曲(歌劇「アイーダ」より)」「ふるさと」「星条旗よ永遠なれ」の3曲。ファンファーレなどトランペットの勇ましい音色に、見守った観光客らは大きな拍手を送った。アンコール曲では班目さんも演奏に加わり、会場の大きな声援に応えた。

水戸市から親子で参加した八木貴嗣さん(50)は「これだけ大勢で、しかも同じ楽器で集まる機会はない。非常に貴重な体験だった。家族にとってもいい思い出になった」と満足そう。娘で小学6年の美紗希さん(11)は「自然に向かって吹くことは珍しいので、よい経験になった。楽しかった」と笑顔を見せた。

この音楽イベントは、8月に水戸市で開かれる女性金管楽器奏者の国際大会「IWBC2024 JAPAN」のプレイベントでもあった。班目さんは「同じ楽器が同じ方向を向いて、世の中に願いや意見を伝えることが目的。とてもよい演奏ができて感動している。皆がいつでも音楽を自分の中の片隅に置いて、元気のもとになれば」と話した。

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