日本の電車に乗って初めて気付いたこと―華字メディア

華字メディア・日本華僑報はこのほど、「日本の電車に乗って初めて、どうやってもリュックサックを持てないことに気付いた」と題する論評記事を掲載した。

華字メディア・日本華僑報はこのほど、「日本の電車に乗って初めて、どうやってもリュックサックを持てないことに気付いた」と題する論評記事を掲載した。

記事は冒頭、コロナウイルスの流行後、日本のサラリーマンの服装には大きな変化があったと指摘。在宅勤務が主流になったことなどから以前と比べてややカジュアルな服装になり、持ち運びの利便性や機能性から通勤にリュックサックを使用する人も増えていることを説明した。

そして、これはサラリーマンの心理状態の変化の表れでもあるとし、「仕事で十分ハードなのだから通勤には快適さを求めたい」という思いがあると紹介。各ブランドもビジネスチャンスとばかりにさまざまな職業に合ったリュックサックを発売しているとした。

一方で、リュックを「どうやって持つか」が社会の難題になっていると言及。東京ではコロナ収束後に満員電車が復活し、車内では「リュックサックなど大きなかばんをお持ちの方は手に持っていただくか、座席上の荷物棚をご利用ください」というアナウンスが流れているとし、「これには、『リュックサックは背負わないでください』という意味が込められている」と解説した。

記事は「リュックサックは両肩にひもをかけて後ろに背負うのがスタンダードな使い方だが、満員電車ではスペースを取り、周囲の人にぶつかるなどのトラブルが起こるため、多くの人が胸に抱えて持っている。しかし、この持ち方にも批判が出ている」と説明。「車内アナウンスでも前向きに抱えないよう呼び掛けているところもあり、『マナー違反』にはならないようだが強く推奨されているのは手で持つことと荷物棚に置くことだ」とした。

そして、その理由について「リュックサックは背負っても前に抱えても占有するスペースは変わらず、手で持つか荷物棚を使った方が混雑緩和に効果的」という意見があることを紹介。一方で、「リュックを前に抱え、その上に手とスマートフォンを置くことで、(死角で何もしていないとアピールし)痴漢との疑いをかけられるのを避けるという人もいるようだ」とも述べた。

記事は、「手で持つのは重く、荷物棚は(位置的に)遠いと使えない、背負えば人にぶつかるし、前に抱えるのもダメ。日本ではなぜリュックサックを持つのがこんなにも難しいのか。背景には日本人の“他人に迷惑をかけない”という意識があり、周囲の環境に配慮することがリュックをどう持つかということよりも優先される。周囲の人に気を遣いさえすれば実際どのように持っても良く、その逆もまたしかり(気を遣わなければどう持っても批判される)」とし、「今再び観光客が殺到している日本で、どれだけの外国人がこのリュック文化に気付いていることだろうか」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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