英アングロ、豪BHPによる2回目の買収提案も拒絶

Clara Denina

[ロンドン 13日 ロイター] - 英資源大手アングロ・アメリカンは13日、オーストラリアの同業BHPグループが提示した2回目の買収案も拒絶した。依然として大幅に過小評価されていることが理由だ。

アングロは4月25日、BHPからの最初の買収案について「場当たり的」で適正な評価がなされていないとの理由で受け入れを拒んでいた。

今回の提案は当初に比べて金額を10%引き上げて340億ポンド(426億7000万ドル)としている。1株当たりの提示額は25.08ポンドから27.53ポンドに修正された。しかしアングロのスチュアート・チェンバース会長は「またしてもアングロに内在する価値を正しく認識していない」と指摘した。

BHPのマイク・ヘンリー最高経営責任者(CEO)は「2回目の提案を突き返されたことに失望している。BHPは両社の統合が全ての株主に多大な価値をもたらすと引き続き信じている」とコメントした。

アングロは、今回の提案で南アフリカの鉄鉱石やプラチナの鉱山に有する権益の売却を求められている点も妙味がないとみている。

チェンバース氏は、BHPの提案はアングロとその株主、利害関係者だけを不当なほど高い比率で、重大な不確実性に由来するリスクと、一連の統合手続きに伴うリスクにさらすもものだとの見方を示した。

アングロは、今後クリーンエネルギー移行や人工知能(AI)普及によって需要の高まりが期待できる銅の有力な鉱山をチリとペルーに所有しているため、他の資源会社にとって魅力的な存在に映っている。

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