パリ五輪「目標は1位」 マラソン男子ケニア代表・ムティソ選手(NDソフト)

パリ五輪男子マラソンでケニア代表として出場するNDソフトアスリートクラブ所属のアレクサンダー・ムティソ選手。目標は「1位」と語った=南陽市のエヌ・デーソフトウェア

 今夏のパリ五輪男子マラソンに母国ケニア代表で出場するアレクサンダー・ムティソ選手(27)が13日、所属クラブがある南陽市のエヌ・デーソフトウェアで山形新聞の取材に応じ「目標は1位」と語った。来日10年目のトップランナーは「山形に来てから好記録が出ている」と、力を引き出してくれる環境に愛着を抱く。14日に日本を離れ、母国チームに合流し、万全の状態で花の都に乗り込む。

 ムティソ選手は2015年に来日し、同社陸上部のNDソフトアスリートクラブに所属し同市に居住。本県を拠点に練習、各種大会に出場し力を付けてきた。トラック種目に比べ距離の長いロードレースに強く、20年にスペインで開催されたハーフマラソンで当時の世界記録を樹立した。22年からフルマラソンに挑み、今年4月のロンドン・マラソンで優勝。五輪代表の座を手繰り寄せた。

 五輪切符をつかんだことに「とても幸せ。力のある選手が多いケニアで代表に選ばれたことをうれしく思う」と実感を込めた。先の東京五輪王者で3連覇を狙うエリウド・キプチョゲ選手(39)もケニア出身で、「彼は友人であり、レジェンド」と話す。本番に向けて「レースはケニア勢とエチオピア勢が強いだろう。自分も十分に戦える練習を積んできた」と自信をのぞかせる。パリのコースは激しい高低差が特徴で「五輪史上最難関」とされるが、「上り坂が得意。持ち味を発揮したい」と意気込む。

 大舞台への旅立ちを前に改めて本県について、「山形の寒い冬は苦手だが、それ以外の季節が好き」と、ほほ笑んだムティソ選手。快走が期待されるパリ五輪男子マラソンは、8月10日に実施される。

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