一番茶を手摘み、香り良く 兵庫・丹波篠山の味間奥地区「成長良く品質抜群」

茶娘姿で新茶を手摘みする「諏訪園」のスタッフ。地元の初夏の風物詩だ=丹波篠山市味間奥

 新緑のまぶしい季節、兵庫県内有数の茶どころ、同県丹波篠山市の味間奥地区で一番茶の収穫が進んでいる。生産販売会社「諏訪園」の茶畑では従業員約20人が、昔ながらの手作業で茶葉を摘み取った。

 「丹波茶」の名で知られる丹波篠山の茶は千年以上前から栽培されていたとされ、県の特産物の一つ。寒暖差の大きい気候のおかげで良質の茶葉が生育する。

 同社では約2ヘクタールでヤブキタ種などを栽培。茶娘の衣装などを着こんだ従業員たちが、「一芯二葉(いっしんによう)」と呼ばれる茎の先端部分を丁寧に収穫した。川那辺智子さんは「新茶は軟らかくて簡単に摘める。手も茶のいい香りがする」と笑顔だった。

 「今年は遅霜がなく、芽の成長が良くて品質は抜群。最高のコンディション」と酒井一行社長(53)。手摘みの新茶は県と全国のコンテストに出品予定。諏訪園は、昨年の「県茶品評会」で最優秀の農林水産大臣賞を得ており、連続受賞を狙う。

 一番茶の収穫は、機械を用いて、25日ごろまで続くという。(堀井正純)

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