競泳男子200メートル平泳ぎのパリ五輪代表になった津久見市出身の渡辺一平(27)=トヨタ自動車=が13日、県庁に佐藤樹一郎知事を訪ね、活躍を誓った。
3月の選考レースで派遣標準記録を突破して1位になり、リオデジャネイロ大会以来の代表の座を射止めた。
渡辺は「挫折と成功体験を経て、8年前より大きく強くなった。メダル獲得の夢に向け、残り期間を頑張りたい」と意気込みを語った。佐藤知事は「県民を挙げて応援している」と激励した。
県水泳連盟の倉掛賢裕副会長、堤聖一理事長が同行した。
この日は津久見市役所も訪れ、石川正史市長らに出場を報告した。
■「パリで雪辱を果たしたい」
パリ五輪まで2カ月半。調整の合間を縫って里帰りした渡辺に大会や故郷への思いを聞いた。
―本番への抱負は。
「メダルを取りたい。右も左も分からずに出たリオ、出場できずに挫折を味わった東京を経て、夢から雪辱を果たしたい場所に変わった」
―2017年には当時の世界記録を樹立した。記録へのこだわりは。
「自己ベストを更新したい。世界の選手に負けたくないが、過去の自分を超えたい気持ちの方が大きい」
―地元への思いは。
「東京大会で代表入りを逃した後、大分で家族や親戚、友人と1カ月半ほど過ごした。帰る居場所があると実感できたことが今、水泳を好きで楽しめていることにつながっている」
―後に続く選手や県民に伝えたいことは。
「ジュニア時代、自分には才能がないと思っていた。誰にでもチャンスはある。殻に閉じこもらずに大きな夢に向けて頑張ってほしい。(パリ五輪決勝は)日本の朝方にあるので目の覚めるレースを見せたい」